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冬の夜空で青く美しい星

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2010-02-1冬の夜空で一番よく目立つ、青く美しい星が気になったことはありませんか? これは全天で最も明るく見える星、シリウスという星です。そしてそのシリウスを鼻先として見立てた星座がおおいぬ座です。ちなみに冬の夜空には「こいぬ座」というのもあるのですが、この二つの星座は、残念ながら「赤の他人」です。

 このおおいぬ座には色々な由来があるのですが、ギリシア神話では、テーバイという町に住んでいたケパロスという美青年の飼い犬だと言われています。ケパロスは美しいだけでなく猟が好きで、一日中森で獣を追いかける勇まし青年でもありました。ケパロスの妻はプロクリスといって、彼女も可憐な女性でした。プロクリスは猟の女神アルテミスのお気に入りだったので女神は二人の結婚のお祝いに、何よりも速く走ることのできる犬と、決して獲物を外さない投げ矢を二人に贈りました。この素晴らしい犬を二人はレラプスと名づけました。二人はお互いに愛し合いしあわせに暮らしていました。

 しかし、狩猟するケパロスを見た暁の女神エオスがケパロスを愛してしまいました。ところがケパロスは結婚したばかりの妻がいとおしくてたまりません。エオスは自分のものにならないケパロスに憤りました。そしてテーバイの町に一匹の獰猛な狐を放ちました。

 町の人々は恐れ、慌てふためいて、ケパロスが飼っているレラプスに、この狐を退治させることにしました。レラプスはさすがに猟の女神からの贈り物だけあって、すぐにその狐に追いつきました。そしてこの犬と狐が恐ろしい顔で睨み合っているとき……。気紛れな大神ゼウスがその美しさに魅入られて、二匹を石に変えてしまったのです。そしてゼウスは、町の人々を救ったレラプスを、おおいぬ座として天に迎え入れたということです。

(文;気象予報士・小説家 チャーリー/絵:吉田たつちか)2010.02

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