平地をゆっくり散歩するように歩くクロスカントリースキーは山の少ない北欧で誕生したスポーツです。対して中央ヨーロッパのアルプス地方で生まれた、雪山を勢いよく滑走するスキーをアルペンスキーと呼び、一般的にはアルペンスキーがスキーの主流とみなされています。
しかし、最近はアルプスでも山の麓にクロスカントリースキーコースを併設したスキー場が増え、クロスカントリースキーの人気が高まっています。
雪の降らない時期でのクロスカントリースキーの練習ために開発された、ポールを使って大股で歩くノルディックウォーキングというエクササイズがあります。近年はウォーキングやジョギングが流行していますが、ノルディックウォーキングは、よりカロリーを消費し、全身の筋肉を使う有酸素運動して注目を浴びています。そのおかげで地味な存在だったクロスカントリースキーにもスポットライトが当たるようになったそうです。
クロスカントリースキーは、身体に激しい負担をかけずに、上半身と太ももの筋肉をリズミカルに動かすスポーツです。バストアップと二の腕のシェイプアップが期待でき、ウェスト、腰、お尻周りもすっきり引き締まります。1時間で500カロリー以上を消費すると言われ、年末
年始で食べ過ぎてダイエットしたい方、冬に運動不足になりがちな方にお勧めです。
仲間とハイキング気分で初心者でも気軽に始められ、雪に包まれた野原や森で自然を堪能できるのは、クロスカントリースキーならではの楽しみです。しかし中級者以上になると、個人で実践する人が増える傾向にあります。白い世界で孤独にただ前に進むことだけに集中すると次第に無心になります。目的地に到着する時には、今まで知り得なかった自分を発見したような清々しい気分が得られるのです。瞑想にも似た効果があり、この感覚は一度味わうと何度でも体験したくなるものです。
(コラムニスト びねくにこ/絵:そねたあゆみ)2012-02