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雪の結晶

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2009.02-2雪の結晶と言われて一番に思いつくのはあの六角形のとがった模様のではないでしょうか? しかしあの 美しい形を作るためにはいくつかの条件があるんですよ。  

雪は雨(=水滴)が冷えて氷の状態になったものといえます。「水は0℃以下になると凍る」というのが常識でいわれますが実は自然界ではそうでもないのです。自然界ではゆっくりと気温が下がるため、空気の温度が0℃を下回っても水滴はなかなか氷にはならないのです。そこで活躍するのが、粉塵や火山灰土壌粒子といった「エアロゾル(「エーロゾル」とも言 われます)です。これらのエアロゾルが空気中に浮遊していると、それらが水滴の核になり、氷になる温度を上げてくれます。もしエアロゾルがなかったら、マイナス40℃にならないと水滴は凍らないと言われています。

一定の気温で一定の空気が保てる水蒸気の量には限界があります。「飽和水蒸気量」というのですが、0℃を下回っても凍らないということは「過飽和」「過冷却」の状態なのです。実は雪の結晶の形をさまざまに変えるのは、気温と、水についての飽和との関係によるのです。 気温がマイナス0~10℃と、マイナス20数度以下で、比較的低い過飽和度で凍った場合、その結晶は 六角形の柱状になります。さらに過飽和度が大きくなると角柱が何重にも重なったような角柱、さらに大きくなるとさや状や針状になります。そして抜けていたマイナス10~20数℃で氷になった場合は、過飽和度の低い順に、六角形の厚めの板状、そしてそれが重なった板状、次に角状の板となり、さらに過飽和度が大きくなったときに、扇形や六角形のとがった模様の 「樹枝状」の氷の結晶ができあがるのです。

  (文:気象予報士 チャーリー/絵:吉田たつちか)2009-02

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