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再生細胞の不思議

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1403ー3種芋用にと、麻袋に入れて地下室に置いておいたジャガイモを取り出してみたら、10センチほどの芽が伸びていた。植えつけるには時期尚早であるが、やや深めに穴を掘り芽を横にして畑に植えた。早すぎると、土から顔を出した芽が遅霜にやられてしまう。
ジャガイモに限らず芋類は、再生力が高い。サトイモやサツマイモの切り片を水を入れた皿に置いてベランダに出しておくと、芽が出て葉が茂ってきて、盆栽として楽しめる。
生命力の特に強い山芋などは、芋を切り分けて、土に埋めて栽培する。菊芋を一度畑に植えると、採っても採っても、芽が出てしまう。借り農園などにこれが植えられていると、次に借りた人が、雑草のように次々に芽が出る菊芋に閉口してしまう。私の借りている修善寺の農園では管理組合の人が、パワーシャベルを持ってきて、土を掘り返し、ふるいにかけて残り芋を除去したほどだ。
冬、枯葉が落ちたクヌギ、ナラなどが切り出され、1メートルくらいに切りそろえられる。シイタケ菌を植えるホダ木にするのだ。春先にドリルで穴を開け、種駒(シイタケ菌)を打ち込む。昔は、ホダ木に傷を付けて雑木林に放置しておくと、シイタケ菌がどこからか飛来して自然とシイタケが発生したというが、今は、確実に発生させるために、種駒を打ち込む。春になると、切り株から芽ぶいて、数年すると、雑木林が再生する。
動けない植物は、このように、身体の一部から全部が再生可能になる能力を神から与えられている。
これに対して、動物の細胞は再生能力がないというのが常識であったのだが、先ごろ、日本の若き研究者小保方晴子さん達の研究グループが簡単な手法によって、刺激惹起性多能性獲得細胞(STAP細胞)の製作に成功したのではと話題になった。結果は残念なことになったが、このヒントでの研究は誰かが継続してもらいたいものだ。動物でも再生細胞が可能になるのはけして夢物語ではない。
先日見たアメリカの連続テレビドラマTHE4400では、歳を取らなかったり、キズが自然に治ってしまったり、どんな病気でも治してしまう不思議な能力を持った人などがが登場する。突然何者かに連れ去られ、ある日突然光る球体と共に返された4400人の失踪者をめぐっての物語だが、すでに、STAP細胞もどきの能力が再現されているのがおもしろい。
歳をとってものぐさになってきたようで、植えたら、特別手をかけなくても収穫できる作物が年々畑に増えてきてる。菊芋・ヤーコン・山ウド・食用菊・ジャガイモ・イチゴ・山芋・セリ・三つ葉・フキ・ニラ・ネギなどである。これぞ、究極の自然農法だと一人合点している。
(ジャーナリスト 井上勝彦/絵:そねたあゆみ)2014-03

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