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美しい景色を眺める季節

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1211-2 十一月の二十四節気にはまず七日、立冬(りっとう)があります。これはいわば「冬入り」、高い土地では雪が積もり始める時期です。歳時記には「冬立つ」「冬に入る」ということばで表現されるようです。

立冬を、およそ五日ごとに分けた七十二候では、初候「つばきの花が咲き始める」、次候「地面が凍り始める」、末候「水仙の花が咲き始める」と移っていきます。

つばきや水仙の花、「凍る」ということばも冬の季語になっています。

次に二十二日、小雪(しょうせつ)。これは、所によっては雪が降り始める時期ということです。初候「虹が見えなくなる」、次候「北風が木の葉を払う」、末候「橘の葉が黄色く色付き始める」となります。

歳時記によると、霰(あられ)、霜、雪は冬の季語ですが、雹(ひょう)は夏の季語になっています。気象に照らすと雹は、太平洋側では夏場に発達した入道雲(積乱雲)が降らせることが多いため、夏を現すことばにされているように思われます。

また霧についても、単に霧だけでは秋の季語ですが、「冬霧」とすることで冬の季語として使うことができるようです。

十一月はあまり目立った気象現象というのはありません。しかし暦の上では冬に入るように、次第に寒さが増してくる月です。朝晩も冷え込むようになり、衣服や寝具の調節をしましょう。夜にはそれこそ「冬霧」が立ち込める地域も出てきます。朝は車に霜が降りるようにもなります。紅葉がきれいな月ですが、山のお天気は一年中変わりやすいものなので、日中でも冷えないように衣類を調節して美しい景色を眺めるように心掛けて下さい。

毎年十一月にはしし座流星群がやってきますね。流れ星はもちろん夜にしか見ることができませんが、流星群を見に出かけるときこそ、衣服はもちろん突然発生する霧に、充分注意して下さいね。特に標高の高い地域で見るときには霧に注意は必要です。

また、十一月は二十八日が満月です。ちょうど真夜中ごろに満月を迎えるようです。この時期は空気が澄んでいて、完全に満ちる数時間前のお月さまを会社帰りなどに見ることができます。次第に日の入りの時刻も早くなってくるので、早い時刻から満ちていくお月さまを楽しむことができるでしょう。

(気象予報士 チャーリー/絵:そねたあゆみ)

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