気温の変動の激しい4月に比べ、暖かくさわやかな5月。しかしなぜか体調不良の人も多いのがこの季節です。特に過去最大の飛散量になった今年のスギ花粉による花粉症や入学,就職,転勤などで新しい環境に変わったことによるストレスからくる5月病。 寒い冬から暖かい春への身体の切り替えがうまくいっていないと、春先に身体のバランスが崩れてしまいます。
この硬くなった身体を程よくほぐすために、春の食材を適量摂ることがお勧めです。春の食材といえば山菜です。時々、つくしやワラビに含まれる発ガン性物質の危険性が取りざたされますが、これは体重の何倍もの量の生の山菜を長期間とりつづけた場合の動物実験の結果です。春のほんの限られた時期にだけ食べられる山菜は、そのほとんどが芽生えたばかりの新芽であり、ミネラル,ビタミンが豊富で、また十分な繊維質もふくむため、春先の体調不良の改善に一役買ってくれます。また日本人が昔から受け継いできたあく抜きをきちんとすれば、ビタミンを破壊する酵素は熱処理で分解され、水溶性の発ガン性物質は溶出してしまうので,何ら心配はありません。
アブラナ科の各種の菜花もつぼみのうちに油いためやおひたしなどで食すことができます。花にはおしべにある花粉が含まれています。(花粉はあの栄養価のたかいローヤルゼリーの原料でもあります)これもビタミン、ミネラル、各種ホルモンを含むので、同様の効果が期待できます。
お休みの日に、できれば朝日のあたる時間帯、のんびりと野山で山菜をつんだり、春の花をみながら散歩すると、よりいっそう身体のリセットに役立つでしょう。
(コラムニスト ブルック/絵:吉田たつちか)
2005-05