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台風という生き物

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09-12梅雨が明けたら間もなく台風が3つも天気図に並びました。これはさほど珍しいことはなく、いつかのオリンピックの年には5つの台風が現れて「五輪台風」と呼ばれたこともあったそうです。
さて。台風とは何でしょう? 定義としては「北大西洋海上で発生した熱帯低気圧のうち最大風速が17.2m/s(34ノット)以上ものの」のことです。おおむね、海面水温が26.5℃以上の海上で発生します。(地球の性質上、北緯5度より南側では発生しません)その辺りは一年を通して安定した東風(北東貿易風)が吹いているので、多くの台風はその風に運ばれて西へと向かいます。
ある程度北上すると、上空には偏西風という、今度は東向きの風が吹いていて、台風はそれに進路を乗り換えます。車がカーブ地点で減速するように、台風も向きを変えるときに速度を下げ、一つの場所に停滞することがあります。また、太平洋高気圧がドカンと腰を据えていると、さすがの台風もそれには勝てず、その縁を通ることになります。(だから、太平洋高気圧が弱まった9月に、日本に多くの台風が上陸することになるのです)
一方、台風のエサは暖かく湿った空気や海水です。風に流されて乾いた陸地や冷たい海域に向かうと、台風としての勢力は衰えますが、今度は暖かい空気と冷たい空気との戦い(温帯低気圧化)が始まり、台風より強い暴風雨をもたらすこともあります。
余談ですが。北半球では、風が吹いてくる方に背中を向けて、左手の前方に気圧の低いところがあります。(これを「ボイス・バロットの法則」といいます)台風が南から近付いてきている場合は大体それは台風の中心を示します。
今年は台風で被害が出ないことをお祈りしております。
みなさまもお気を付けて。
(文:気象予報士 チャーリー/絵:吉田たつちか) 2006-09

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