旅行が大好きな私は今回、友人と2人で『ネパール・インド1ヶ月の旅』へいってきました。日本で予約したのは、航空券のみ。バックパック1つかついで気ままに各都市をめぐる、いわゆるバックパッキングというものです。
ネパールをバックパッキングしてから1週間ほどたった頃、ふ
と気付いたことがあります。「そういえばネパール人って何もしないでぼーっと景色を眺めてる人が多いな」
どこの街のどの道を歩いても、あらゆる所に座り込んでぼー
っとしてる人達を見かけます。その数はもう日本では考えられないくらい!
海外に来て、このような日本とは異なる非日常的な光景を目にすると“日本“について考えさせられます。「日本人は本当に忙しく毎日をすごしてるよな。忙しくしてないのがダメな事みたいに…俺なんか1日何もしないでダラダラ過ごしたら、その日の終わりにちょっと後悔してしまうわ」
ある時、店の前に座り込んでいたネパール人に、尋ねてみました。「毎日こんな感じで過ごしてるの?」
「そりゃあ、お客さんが来た時は接客するし、毎日神様にお祈りしてる。友人とも喋るし、家に帰ったら家族がいる。でも何もする事がない時は、ここに座って考え事をしたり、何も考えずにぼーっと時が過ぎるのを待ってるよ」
この話を聞いて、退屈そうな毎日だなあ と思う自分と そうい
う人生も羨ましいな と思う自分がいました。
日本で過ごしていたら、ヒマな時間にはTVがある、携帯があ
る、ゲームがある。でも貧しい国には、のんびりと時間が過ぎるのを楽しむ贅沢な時間がある。
日本人が考える充実した生活とは、ヒマな時間のない、毎日が忙しい生活。人生の目標達成のために、様々な事に挑戦したり、仕事したり、勉強したり、人と会ったり… そしてヒマができたら、それをまた何か別のもので埋めてしまう。
でも、たまには何もない時間をゆっくり過ごすのもいいと思います。外の世界と自分を切り離して、今の自分について考えてみる。何も考えないでぼーっと空を見てみる。最初はそんな時間の過ごし方にすごい違和感を感じるかもしれない。
でも、たまにそういう時間を入れるだけで、いつもの生活が一層充実したものになるんじゃないでしょうか。
(現役大学生 小川慎史郎/絵:そねたあゆみ)