(文:ジャーナリスト 井上勝彦 高田理恵/絵:そねたあゆみ)
2017-3
久しぶりに都会に戻り、山手線に乗った。夕方の帰宅時間に遭遇したが、車内の様子が以前とまったく違っている。サラリーマンの朝晩の電車通勤スタイルに、新聞は欠かせないものであった。ところが、新聞を読んでいる人は皆無。殆どの人がスマホに見入っている。ニュースは新聞でなくスマホで読むのが当たり前になっているようだ。駅構内の売店に煙突状態で刺さっていた夕刊紙の存在感も後退している。雑誌も同様だ。若い知人に聞くと、今や、自室にパソコンもテレビも置いていない人も珍しくないという。全ての情報の入り口はスマホなのだという。
今後、新聞社はどう生き残れるのだろうか?新聞業界出身者の一人として今後の動向が心配だ。
そういえば、NHKがスマホユーザーにもNHK受信料を取る方策を検討しているという。NHKという有料放送局の存在の必要性の有無についても検討が必要な時代なのかもしれない。
NHKの独壇場であった国会中継も今やネットで見ることができる。(衆議院TVインターネット審議中継//www.shugiintv.go.jp/jp/index.php)今後、相撲のネット中継ができればNHKの存在意義は半減しかねない。昔、ホリエモンがテレビ局を買収しようとしたことがあったが、彼は、テレビ局の有する過去のストック映像に商品価値を見出していたが、時代がやっと彼が描いていたテレビとネットの融合時代に近づいた。その意味では、NHKは莫大な映像ストック資産を有しており、これは国民の財産でもあるわけで、世界中に商品として売ることで、受信料は半額かゼロでもやっていける筈だ。
電車中でのスマホ学習に便利な「アンキスナップ」(ぺんてる)というマーカーペンが話題になっている。これで参考書やノートにマークしたものを専用のスマホアプリで開くと、マーキングした箇所が黒塗りとなり、この部分をタッチするとマスクが消え、文字が見えるという優れもの。電話としてしか使っていなかった小生のスマホ。今年はもう少し使い方を広げてみようと思った。
(ジャーナリスト 井上勝彦)/絵:そねたあゆみ 2017-03