(絵:そねたあゆみ)
最近の週刊誌の特集は医療、薬、食品といったキーワードで従来の常識を疑問視し、警鐘を鳴らすのが多い。高齢者の健康診断の可否や癌治療の是非、危険な食品といった具合だ。
健康診断は15年以上もやっていない。市役所からは、しつこいぐらいに案内状が届く。健康診断は一見、国民のために良いように見えるが、所詮、医者側に立った衣の下が見え隠れする。患者を増やす手立ての側面が多い。
最近、酒場の話題は、癌になったら延命治療はしないで、老衰で死なせてほしいという希望がほとんどだ。痛いのはいやなので、年寄りに限ってマリファナも許可してもらいたいと、熱弁をふるうご同輩もいた。
車でも、昔に比べれば車検が簡素化し、結果、その費用も安くなった。安全性のためという大義名分には誰も異議は挟めないので、車検制度は温存されている。
妻に肝臓に癌が見つかった時、週刊Gに載っていた肝臓癌の名医の記事と免疫療法で有名な病院の2つの記事を頼りに出かけた。同じ県に両病院ともあったが、手前にあった肝臓癌の名医の病院の方に先に行った。でも、それが失敗だったと今でも悔やんでいる。週刊誌の情報などそんなにあてにはならない。
そうはいっても自分にも出来そうだとか、自分に有利な情報は信じることにしている。
最近、近畿大学薬学部の川畑篤史教授らの研究グループが発見したビールの効用はビール党の私には願ってもない情報だ。
同大学のニュースリリースによると、近畿大学薬学部の川畑篤史教授らの研究グループは、ビールの原料の1つで、苦味や香りづけなどに使用されるホップの成分が、リウマチの痛みや神経損傷による痛み、また過敏性腸症候群患者に見られる腹痛など、幅広い痛みの治療に応用できることを発見した。
この成分は、モルヒネをはじめとする麻薬性鎮痛剤が効かない神経障害性疼痛(糖尿病の合併症、ヘルペス後神経痛、抗がん剤の副作用など)にも有効である可能性が高く、今後の臨床応用に大きな期待がされるという。
糖尿病患者や抗がん剤で治療中の患者によく見られる手足の痺れや痛み(神経障害性疼痛)、過敏性腸症候群患者に見られる腹痛など、麻薬性鎮痛剤が効かない(使用できない)痛みに対する有効な治療薬の開発が望まれている。
こうした中、川畑教授らは、生薬の一種である苦参から、知覚神経に発現する「Cav3.2 T型カルシウムチャネル」を阻害する「ソホラフラバノンG」の同定に成功。そこから、類似構造をもつ天然物質として、ホップの成分である「6-プレニルナリンゲニン」にたどり着き、「6-プレニルナリンゲニン」と関連化合物が痛みの原因分子であるCav3.2を最も強く阻害することを発見した。
また、マウスを用いた実験を通じて、実際にこの化合物が神経障害による足の痛みや結腸過敏による腹痛を抑制することを証明した。
小生は現在、痛風の薬を常用しているが、この薬を飲んでいれば、多少のビールならOKと酒好きの整形外科医はいう。宴会などでいつもより多く飲む予定の時は1錠でなく倍の2錠のむといいともいってくれる。
酒は百薬の長なのだ。末期は水ではなく酒にしてもらたいものだ。(ジャーナリスト 井上勝彦)