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ダイエットという食文化(前編)

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(絵:吉田たつちか)

●20世紀後半からはじまったダイエットブーム
 実は筆者はただいまダイエット中なのです。ここ3ヵ月で体重を7キロほど落としました。体の変化についてはちょっとだけお腹がヘコんだかな? という程度なのですが、一週間ほど前に区立体育館に置いてあった血圧計で計ってみてビックリ!
 以前は上170、下120あり立派な高血圧症であったのが、上111、下83と正常値! しかし血圧計の間違いということもあるなあと思い、昨日別の場所、別の器具で計ってみると上114、下83とやはり正常値。
 医者からは血圧を下げる薬を飲めとしつこくすすめられていたのですが、どうやら飲まずに済みそうです。
 おっと、血圧の話しではありませんでした。皆さんもご存じの通り、いまや日本はもちろん先進国では皆々ダイエット、ダイエットと、老若男女が贅肉は敵だとばかりのダイエットブーム。このブームは、まさに新たに出て来た世界的な食文化といえます。
 このダイエットなるブームは、日本では1960年代からはじまりました。美脚にミニスカートが似合うイギリスのモデル「ツイッギー」があらわれ、正直「大根足」と言われても仕方がなかった当時の日本女性にショックと羨望を抱かせたのでありました。
 その後から現在に至るまで、出てくる出てくる次から次へと新たなるダイエット法、ダイエット食が。
 紅茶キノコが痩せるだのウーロン茶は脂肪を燃焼させるだの、リンゴばっかり食べるとかキャベツばっかり食べるとか朝バナナで痩せるとか…、でも長続きした人はほとんどいなかったようです。だからいまでも次々と新しいダイエット法が出る。なぜ出てくるのかというと、成功した人があまりいなかったからかも知れません。

●女性美はその時代の富の現われか?
なぜ20世紀後半からダイエットブームが起こったかというと、これは「食」と大いに関係があるのです。それ以前、必ずしも痩せた女性が人気であったとは限りません。
それ以前の西洋画における裸婦像にほっそりした女性はほとんどおらず、ぽっちゃり型ばかり。いまでもケニアや南洋の島々の女性はふくよかな女性がモテるとか。
 理由は食糧事情が苦しかった時代、太っていることは豊かさの現われ。それが美しいとされていたようです。しかし20世紀の後半あたりから、先進国での女性美に関する認識が変わり始めます。
 食料が有り余るようになると、太っていること=豊かさではなく、怠惰とみなされるようになってきます。これは女性に限らず男性もそうで、特に肥満体国アメリカなどでは、太っていると自己管理ができていないなどという汚名を着せられてしまう場合もあるとか。
 ちなみに昔の日本、江戸時代の場合、太っているか、逆に痩せてナヨナヨしていることが富の現われだったといいます。女性だったら柳腰のナヨっとした女性。男性も細くていかにも優男的なのが豊かさの現われ。これは『労働をしないので体に筋肉などが付かない=豊かさ』ということなのだそうな。
 それが現在では『豊かな人=自分の体形に気をつかい、なおかつスポーツジム等にいける経済的余裕がある』となったという説もあります。
 実際厚生労働省の調査でも低所得者ほど肥満の傾向があるそうです。昔は太った女性が豊の現われ、いまは女性だけでなく男性も…、つらいなあ…、もう少し私もダイエットを続けるとしますか。とほほ…
(食文化研究家 巨椋修(おぐらおさむ))2019-12

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