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炎のゆらぎの癒し

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(絵:吉田たつちか)

 ベランダの敷板が朽ちたので、改修した。その際、小さな椅子とテーブルが置けるスペースでいいから一部を拡張してもらった。そして、ベランダの隅に、2本のソーラーランタンをつけた。実は、近所の家に設置してあったのがあまりに素敵だったので、ネットで取寄せたものだ。そのゆらぎを眺めていると心が休まる。
 以前、畑を借りていた時、そこで、焚火をし、飽きることなく長い間、炎を見ていたことがある。ベランダで焚火というわけにはいかないが、遠目には、ハワイやグアムの海辺のレストランの店先によく見られるトーチのように見える。ソーラー使用だから燃料費ゼロなのもいい。
 ゆらぎ研究の第一人者である東京工業大学名誉教授の武者利光さんによれば、「自然界に存在するもので、じっと静止しているものはなく、ものの変化が不規則な様子が”ゆらぎ”」だと定義している。
 ゆらぎ具合を表す周波数「f」の中で最も心地よく感じられるのが「1/f」ゆらぎだという。なぜ「1/f」が心地いいかというと、このゆらぎは適度に人の予想を裏切るから。完全に予想はできないのが「1/f」ゆらぎの特徴。炎のほかにも、小川のせせらぎ、草原をわたる風、きらめく木漏れ日、小鳥のさえずりなど、自然界にある「1/f」ゆらぎと同じものが、人間の体内にもあるので癒されるのだという。
 読書や映画など心揺さぶらされる感動も良いが、たまには炎のゆらぎなど自然の不確定のリズムの中に身を置くのもたまにはいいものだ。思い出したが、渡哲也の趣味は焚火だと、以前、どこかで読んだ記憶がある。せめて炎の揺らぎであやかりたい。
<参考>KEYNICE センサーライト ソーラーライト ガーデンライト 屋外用 96電球内蔵 IP65防水 電池不要 省エネ 2個セット 日本語取扱説明書付。アマゾンで2個組を購入したがそのうち一個がすぐに点灯しなくなったので、返品。アマゾンクーポンで返金されたので、再度購入。いまのところ暗くなると、順調にゆらいでいる。
(ジャーナリスト 井上勝彦)2019-12

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