アメリカ人など英語圏の国の人は、妊娠しているということを、遠まわしに『expecting』と表現します。「何かを期待する」「予期する」というこの単語は、女性が妊娠しているという場合も使われるのです。何だか、素敵な響きだと思いませんか?妊娠初期に現れる「つわり」は、英語では『morning sickness』といいます。直訳すると「朝の病気」になりますが、これは、多くの女性が、午前中につわりを酷く感じることからきているのです。ちなみに、アメリカで「つわりが酷くて・・・」と医師に相談しても「クラッカーと、ソーダ(コーラなどの炭酸飲料水)を飲んで、我慢して下さい」と言われるのみ。日本では、梅干にはまる妊婦さんが多いと聞きますが、アメリカでは、ピクルスにはまる妊婦さんが多いのも、面白いですよね。
さて、いよいよ出産という時に感じる陣痛は『contraction』。収縮・短縮という意味でよく使われる単語ですが、子宮が収縮して起こる陣痛にも、この単語が使用されます。陣痛から出産までの過程は『labor』。この単語は、日常会話では「辛い労働」「骨の折れる仕事」という意味で使われるもので、赤ん坊を産むことが、女性にとって大仕事であることが、伺えますよね。
いよいよ、赤ちゃんが出てくる!その時、医師や助産婦さんが妊婦さんにかける言葉「いきんで!」は、英語では『push!』。赤ん坊を、押し出して!という意味なのでしょう。そして、出産という単語は『delivery』。「郵便物などを配達する」という単語ですが、赤ん坊を出産する時も、同じ単語を使うのです。コウノトリが赤ん坊を運んでくる、というのも『delivery』という単語を聞けば、なるほど!と思いませんか?
(コラムニスト Julie/絵:吉田たつちか)
2004.12