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効果的なタンパク質の摂り方とは?

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(絵:吉田たつちか)

 今ある体は、昨日まで食べた食べ物で作られている・・・当たり前の事ですが、よく考えてみると大変に感慨深い言葉です。
 難病と言われる自己免疫疾患やガンなどの病気が日本ではどんどんと増加しており、その原因は?というと遺伝や老化、あるいは原因不明と言われる事が多いようですが、私は9割の病気が食習慣によって発病していると考えています。

 現代人はとても忙しくストレスも多く、朝から落ち着いて食事を摂る暇も無いほどですし、共働きによって女性の負担はとても大きく、仕事から帰って一から食事作りは極めて大変で、それをサポートするが如く、お惣菜、レトルト食品、冷凍食品など便利な食品が売られています。
 でも、体の中身を考えると、毎日レトルトなどを食べている体と、旬のタンパク源、野菜などを摂っている体とでは、血液、筋肉、骨、臓器、消化酵素、ホルモン、免疫細胞などあらゆるパーツの出来栄えが全く違ってくるのは誰が考えても納得出来る事かと思います。

 特に、中医学では女性は気が余り血が不足する体と言われます。
毎月の月経があったり出産に備え、十分過ぎるほどに血液を蓄える必要があります。
 朝、パンとコーヒーだけで済ませるようでは絶対にダメで、タンパク質不足は自律神経の不具合や更年期のトラブルを確実に招きます。
血を増やすには、鉄分だけでなくタンパク質が必要ですし、骨を丈夫にするにも筋肉を丈夫にするにも、カルシウムだけではなくコラーゲンタンパクが必要です。

 1日に必要なタンパク質量は、体重1キロあたり1〜1.5グラムで、特に病中病後の方や高齢者では1.5グラムのタンパク質を摂っていただきたいところです。
 つまり、体重60キロの人では、1日あたり60〜90グラムのタンパク質が必要で、これを1日3回に分けると1食あたり20〜30グラムのタンパク質が必要になります。
 殆どの魚や肉は手のひら大・・・ほぼ100グラムあたり20〜25グラムのタンパク質を含んでいるので、1食に自分の手のひらくらいの量の肉や魚をとればOKです。
 1食20グラム以上のタンパク質を、肉、魚以外で摂ろうと思うとなかなか大変で、卵なら3個、納豆も3パック、150グラムの1人分のお豆腐なら3パックとかなりの量が必要です。
 例えば、朝から魚や肉は食べられない・・・という方は、1人分のお味噌汁に150グラムのお豆腐1パックとお揚げ5グラムを入れた味噌汁に納豆1パックか卵1個をプラスすると良いです。
 お昼や夕食で魚、肉を十分量食べられない場合は、卵、納豆、厚揚げ、豆腐、高野豆腐、豆類などで補填をするようにしてください。
 おやつに、豆乳にきな粉や胡麻を溶かして飲んでも良いですし、ナッツ、魚肉ソーセージなどを適宜取り入れるのも良いです。

 植物性のものだけで賄おうとすると、不足が生じやすいので、必須アミノ酸をすべて含んだ動物性タンパク質をうまく利用してください。

 

(薬剤師・国際中医師・国際薬膳師 高田理恵)2025-05

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