日本では、毎年発生した台風順に番号を付け「台風○○号」と呼んでいます。一方、アメリカなど海外ではハリケーンに名前を付けていることが多く風習の違いを感じさせますが、実は日本を通過している台風にも名前があるのをご存知でしょうか。
実は台風の呼び名には「番号方式」と「リスト方式」があります。日本は「番号形式」を採用しており、その年の何番目に来た台風か分かるなどの利点がありますが、数年単位で見た場合どの年の台風なのか分かりにくく、記憶に残りにくいという欠点があります。
海外採用されている「リスト方式」とは、各国の政府間組織である台風委員会によりリストアップされた名前を、発生した台風順に付けていくというものです。名前が付いていると人々の記憶に残りやすく、見分けが付きやすいという利点があります。確かに「アイリーン」など人名が付いていると覚えやすいですよね。女性名が多いのは、その昔リストアップしていた気象学者らが自分の妻やガールフレンドの名前を使ったからだと言われています。ちなみに現在では、男女平等ということで、男性名も採用されています。
その昔、アジアで発生した台風の名前はアメリカ人が名付けていました。しかし、英語名だったためアジア人には馴染みが薄く、折角のリスト方式であるのに記憶に残りにくいということで、2000年からアジア名が使われるようになったのです。現在、日本名である「とかげ」「わし」「かんむり」を含む140個のアジア名から、発生した台風順に名付けらています。
8月4日に石垣島を直撃した台風9号の名前は「台風マッツァ」で、ラオス名でした。今後、サンヴー(マカオ)、マーワー(マレーシア)、グチョル(ミクロネシア)、タリム(フィリピン)、ナービー(韓国)、カーヌン(タイ)と続きます。
台風は、決して避けることの出来ない自然災害ですが、名前を付けると少しやるせない気持ちが和らぐと思いませんか。どうでしょう?
(JULIE/絵:吉田たつちか)2005-09