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長崎ちゃんぽんの謎

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14-11-2● 「ちゃんぽん」の語源とは?

新宿のある百貨店で『九州・沖縄物産展』なるものがあり、行って長崎ちゃんぽんを食べてきました。
この「ちゃんぽん」という言葉。語源にはいくつかの説があり、沖縄で混ぜることを意味する「チャンプル」と同じ説や、中国福建省の言葉の「吃飯(シャンポン 意味は「ご飯食べた?」)」などがあります。しかしはっきりとわかってはおりません。

 

● 長崎ちゃんぽんは
いつ生まれたのか?
長崎ちゃんぽんは明治時代に当時の清国福建省から陳平順という人が来日し、長崎で『四海僂(しかいろう)』という中華料理店を開いたとき、当時多くいた中国人留学生に安価で栄養価の高い料理を提供しようとして、野菜や肉の切れはしを入れて作ったのが、長崎ちゃんぽんの始まりという説。
明治初年に、元吉という人が支那うどんを「ちゃんぽん」と名付けて売り出したという説もあり、また一説には勝海舟がちゃんぽんを食べたという話しも残っているといいます。
長崎という町は、出島で知られるように、江戸時代に海外との窓口になっていた港町。
江戸時代、日本は鎖国されていて、西洋人は長崎の出島に閉じ込められており、また中国人は唐人屋敷に閉じ込められていたと思っている人が多いようですが、さにあらず!
出島のオランダ人は確かに、かなり厳重に管理され、出島から出ることは、ほとんどできませんでしたが、唐人、つまり中国人は比較的自由に外出が許されていたようで、江戸時代の後半ともなると、長崎の町に食べ物屋を出す中国人もいたようです。
中国人たちが提供する料理は当然、中華料理であり、日本ではまだほとんど食べられていなかった豚肉が入っていたりして、人気もあったようなのです。
また福建省には「燜麺」(メンミエン)と呼ばれる麺料理があり、具材や作り方が長崎ちゃんぽんとよく似ているものがありますから、中国から渡ってきて日本で改良されたものと思って間違いないでしょうね。
他に変わった説として、皿うどんの太い麺はパスタの影響ではないかという人もいます。江戸時代に西洋との窓口でしたから、その可能性もなきにもあらず……、かもしれません。
皿うどんの麺はパスタの影響説の真偽はともかく、パスタを利用して長崎ちゃんぽん風のスープスパゲティを楽しむ人はたくさんいるようです。
皆さんも一度挑戦してみてはいかがでしょう? ネットで検索してみると、レシピもたくさん出ていますよ。

 

● 九州ラーメンの元祖は
長崎ちゃんぽん?

九州の麺類といえば、長崎のちゃんぽんや皿うどん以外だと、やはり豚骨スープの九州ラーメンが有名ですよね。
この豚骨スープの九州ラーメンというのは、昭和初期に生まれたものなのです。
と、いうことは、長崎ちゃんぽんは明治時代からですから、長崎ちゃんぽんのほうが歴史は古いということになります。
また、ちゃんぽんにしても、皿うどんにしても、スープは豚骨。
つまり、九州ラーメンの元祖は長崎ちゃんぽんである可能性が大。少なくとも強い影響は与えていることに間違いはないでしょう。

● 皿うどんの歴史とは?

長崎皿うどんは、長崎ちゃんぽんの兄弟料理として誕生しました。
長崎ちゃんぽんを考案したと言われる四海樓の初代 陳平順がちゃんぽんを出前にするときに、こぼれないようにと、スープを餡かけにしたのがはじまりと言われています。四海樓のホームページによると、中華料理の『炒肉絲麺(ちゃあにいしいめん)』がルーツであり、またよく似た中華料理としては『餡かけかた焼きそば』『餡かけ五目かた焼きそば』があります。
皿うどんとかた焼きそばの違いは、皿うどんの餡のベースや材料は、ちゃんぽんと同じ。
かた焼きそばの場合は、八宝菜や五目旨煮と同じ。
皿うどんはキャベツを使いますが、かた焼きそばは白菜を使います。
また、皿うどんは、「唐灰汁(とうあく)」というかん水の一種を使っています。これは長崎県でしか製造が許可されておらず、この麺を使わないと正式な「長崎皿うどん」と認められないとのことです。
なかなか面白いですね。
(文:食文化研究家 巨椋修(おぐらおさむ)/絵:そねたあゆみ)2014-12

 

 

 

 

 

 

 

 

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