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冬の天気

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01冬の天気1 いよいよ十二月ですね。師走、お坊さんも走る月になりました。十二月は暦も、慌ただしく一気に冬めいてきます。

まず初めの二十四節気は、七日、大雪(たいせつ)です。 これは「暖かい地方でも雪が降り始める時期」という意味です。それを細かく区切った七十二候も、初候「天地の気が塞がって冬となる」、次候「熊が冬眠のために穴にこもる」、末候「鮭が群がり川を上る」と進んでいきます。

次に二十一日、冬至(とうじ)です。これは「北半球では昼間の時間が最も短くなる日」です。西洋では大昔、冬至とクリスマスを同じと扱ってお祭りなどをしていたようです。この七十二候は、初候「夏枯草が芽を出す」、次候「大鹿が角を落とす」、末候「雪の下で麦が芽を出す」と進みます。真冬にありながら、自然が成長していく様子が窺えるなぁと感じます。

さて、太平洋側では冷え込んで乾燥した日が続きやすい季節ですが日本海側は全くお話が違います。日本の日本海側は、世界でも有数の豪雪地帯です。みなさんはテレビの天気予報で「筋状(すじじょう)の雲」というのをご覧になったことがあると思います。あの正体は、実は積乱雲、つまり入道雲の列なのです。日本海側では、一つの積乱雲が通ると雨や雪が降り、数十分かけてそれが通り過ぎると晴れて、またしばらくすると雨や雪が降って……、ということを繰り返し、次第に雪が降り積もっていくということになります。

ではなぜ太平洋側は乾燥しているのかと言うと、これも天気予報でおなじみのことば「フェーン現象」が起きるからです。フェーン現象というのは、暖かく湿った空気が、本州を東西に区切る脊梁(せきりょう)山脈を上りながら雪を降らせて湿度を下げ、それを太平洋側へ向けて下りる時には乾燥した空気になっているのです。

そして太平洋側の冬のお天気で注意が必要なのは、午後から曇りやすいということです。これはなぜかと言うと、朝からの陽射しで地上の空気が暖まると、その空気は上昇していきます。しかし上空の気温は地上の気温よりも低いため、その温度差を調節するために雲が発生するのです。

この雲は時々、太平洋側にも雪を降らせることがあります。正に「大雪」の時期、というわけですので、気を付けましょう。

(気象予報士 チャーリー/絵:そねたあゆみ)2012-12

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