(絵:そねたあゆみ)
お腹がパンパンに張って苦しい・・・というご相談をよく受けることがあります。お腹が張る原因には、腹水や痞塊(腫瘍など)等もありますが、今回はガスによる鼓脹についてお話したいと思います。
臓腑においての腑は、袋をなすもので、胃袋、小腸、大腸、膀胱・・・などすべて内容物が溜まると、蠕動運動により排泄されて、空っぽになり、また次の内容物を受け入れるというしくみになっていますね。
腑は蠕動運動することがとても大切で、この動きが止まるといろいろな不具合が生じます。
消化管の蠕動運動が弱くなると、食べ物が長時間滞在して、そこで腐敗してガスが生じます。つまり、お腹が張るのは、消化管の動きが鈍くなっているためです。
では次に、消化管の動きを止めてしまう様々な原因について考えてみましょう。
1,お腹が冷えている=冷たいものを飲んだり食べたりしてお腹が冷えることの他に、甘いおやつやジュースを空腹時に摂ると、消化管が蠕動運動しなくても、ダイレクトにブドウ糖が吸収されてゆくので、消化管は動かなくなってしまいます。消化管が蠕動することにより、お腹は温まるので動きが悪くなるとさらにお腹が冷える・・・の悪循環にはまります。
2,油物を食べた=肉類の脂や、トランス脂肪酸、酸化された油などは、猛毒で消化吸収にダメージを与える他、消化が遅れて食べ物の滞在時間が長くなり、ガスが生じやすくなります。
3,精神的ストレスが入った=イヤな感情や不快な感情が生じると、腸管の動きはストップしてしまい、いっぺんにお腹が張ってきます。
4,肝の疲れ=肝臓は、食べ物や薬品、添加物の解毒の他、不快感情により生じた有害な神経伝達物質やホルモンなども解毒しています。様々な疲労が重なり、肝の働きが追いつかないと、腸内環境も乱れてお腹が張りやすくなります。
5,脾胃の疲れ=食べ過ぎや飲み過ぎが続き、胃腸機能が低下しているときや、必要な栄養が摂れていないとき、消化管の動きが悪くなりやすくなります。
6,運動不足・・・足の筋肉が使われていない=筋肉と胃腸の働きとは密接な関係があり、座りっぱなしなどで、運動が不十分だと胃腸が動きにくくなります。お腹が張って悩んでおられる方は上記のことに注意されるほか
★柑橘類、ジャスミン茶、日本蕎麦、らっきょう、春菊、三つ葉、セロリ、パセリ、香菜などの香りの強い食べ物で気を巡らす★ニラのお粥、シナモンティーなど、お腹を温め食材をとる★発酵食品を取入れる★しじみ、あさり、牡蠣あどの貝類や、イカ、タコなどで肝機能を助ける★お腹を温める手当てを取入れる★カラタチ、発酵紅参、万寿酵素、ナノ型乳酸菌などで、消化機能を後押ししてあげる・・・などもご参考ください♪
(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵)2017-07