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かぐや姫に学ぶ「いい女」の条件

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(絵:吉田たつちか)

 日本最古の物語『竹取物語』をご存知でない方はおられないでしょう。竹から生まれたかぐや姫が成長し、月へ帰るまでのお話です。
 かぐや姫はとても美しい女性だったようで、多くの男性から求婚をされています。でも、よく考えてください。『竹取物語』が成立したのは平安時代初期。女性は人前に出ることがなかった時代です。ですから、噂だけで「美しい」とされていた可能性が高いのです。
 これだと実物を目にした男性が、現実を言いふらしそうですよね。しかし、『竹取物語』ではそのような描写はありません。それもそのはず。かぐや姫は「いい女」だったのです。「いい女」とは見た目だけでなれるものではありません。かぐや姫がただの美人から「いい女」になれた一つ目の理由、それは「断る」でした。
 不思議に思われるかも知れませんが、男性からの誘いを断れるのは「いい女」の条件なのです。誰からの誘いからにもホイホイのっていては、「いい女」とはいえません。断ることで、男性は追いたくなるのです。何としてでも自分のモノにしたいと思う。 自分に自信のある男性ほど、女性からの断りの理由を探りたくなるものですしね。
 ただ断るといっても、かぐや姫は品があります。ストレートに断らず、仏の使った石の鉢や蓬莱山の玉の枝を贈って欲しいと頼みました。この「頼む」も「いい女」の条件です。おねだりですね。このおねだりも毎日ではありません。ここぞという時に行いました。
 おねだりというものは、自信のない女性は行えないもの。自分のような者が誰かに頼むだなんてできないと思ってしまうからです。こうなると悲惨な恋愛しかできません。相手の言いなりです。相手と心のキャッチボールができないのですから仕方がありません。おねだりをするというのは、これから恋人になるかも知れない相手と積極的な交流ができるという意味でもあるのです。つまり、断りを入れつつおねだりをすることで相手に期待も抱かせるのです。これはなかなか難しいテクニック。これをかぐや姫はやってのけたのです。だからこそ、遂には時の帝にも求婚をされるようになりました。
 今、婚活や恋活をしている女性は、ぜひ「断り」と「おねだり」を意中の男性に試してみてください。この2つで、かぐや姫のように追いかけたくなる女性になれるかもしれませんよ。もちろん、相手への最低限の敬意を忘れずに行ってくださいね。ステキな恋になるよう応援しています。
(コラムニスト ふじかわ陽子)2020-08

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