(絵:吉田たつちか)
この冬のコロナが心配なところですが、経済活動が回りだして少しづつ以前の生活が戻り、GO TOなどで外出する機会も増えてきましたね。ところが、ここへ来て以前にも増して心が落ち込んでしまったり、言うに言えない不安感に悩まされている方が増えています。周りの友人達は、ご家族で楽しく旅行に出かけたり食べ歩きに出ているのに、自分はちっとも気分が晴れず、食欲もなくてますます焦って落ち込んでしまう・・・というようなご相談が増えています。
そんな方に自粛期間の生活をお聞きしてみたところ、
①学校や仕事に行けずに1日中家にいたので、夜遅くまでグダグダとテレビを見たり、ゲームをしたりして夜更かしして、朝が起きられずに昼近くまで寝ていた。
②食事の時間はバラバラで、きちんとした食事をせずに、おやつをダラダラ食べながらテレビを見たり、コンビニの弁当や菓子パン、ピザなどで済ませていた。
③これをやろう!という向かうものがなく、体も動かさずに自分でも嫌になってしまうほど怠惰な生活を送っていた。などの答えが返ってきました。
おおよそ4ヶ月くらいの間、このような生活パターンが続くと、いざ学校や仕事が始まり、元気よく起きて出かけようとしても、なかなか体と心がついてこないのは当然のことです。朝になったら起きて活動し、夜になったら体を休めるという動物の基本サイクルと食事のリズムが崩れると、体を動かす原動力となるホルモンの分泌、血糖値も不安定になり、それにより自律神経が激しく揺さぶられて、痺れ、ムズムズ感、痙攣、痛み、怠さ、息苦しさ、動悸、不安発作などを起こすようになります。このような状態の時に、抗不安薬や睡眠薬を用いると、さらにエネルギーが低下してしまい、ますます不調が増長される事が往々にしてあります。
この場合に必要なのは、エネルギーを正しく補う事と、漢方でも気血を補う補剤が必要です。それではこの悩みから抜け出す手順をお話しします。
①夜になったらパソコンやスマホに向かうのをやめて、眠れなくても11時にはとりあえず布団に入ります。
②布団の中で、“今日も良い日だった、明日も必ず良い日になるし、私はちゃんと起きられる“と唱える
③朝、目を覚ましたらカーテンを開けて朝の日差しを浴びて、大きく伸びをして深呼吸する
④朝食は抜かずに、軽くても良いので必ず食べる
⑤昼食、夕食もなるべく同じ時間に食べる
⑥食前の抗糖化剤でグルコーススパイクを防ぎエネルギーの安定を図る
⑦食後に気血を補充する漢方を飲んでエネルギー産生を高める
⑧今日はこれをやる!と言う事を一つ決めて、それが出来た自分を褒め称える
⑨温かいお風呂に浸かり、手足をさすりながら、“よく頑張ったね“と自分を癒してあげる。
(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵)2021-1