田舎生活で不便なことの一つは、近くに映画館がないことだ。DVDやCDをレンタルし、プロジェクターを買い、スクリーンに映して一人楽しんでいたが、プロジェクターの交換用電球が高額だったことと蛇腹式のスクリーンの伸縮装置が故障したのを機に、この方法はあきらめ、大画面テレビでの映画鑑賞に切り替えたのが10数年前。液晶テレビ画面の性能向上、価格低下で簡単・安価に映画を楽しめるようになった。
しかも、最近ではNETFLEXやunextなどインターネット動画配信サービスが充実してきたので、老後の時間を持て余すなどといった事もなくなった。
今、嵌っているのが、昔の映画だ。白黒の映画はもとより、無声映画まで観ることができる。
最近、小生と同年代の映画俳優の逝去が増えているが、その報に接するたびに、その俳優が出演した映画をなつかしく観る。
そこで気がついたことの一つが昔の女優が思っていたよりも美しくなかったのと、若いころの男優が今どきの男優よりもハンサムだったことだ。女性の美の基準は時代とともに変わるようだが、最近の若い女優はみな美しい。化粧が上手になったのか整形美容外科が発達しているのかその原因は定かではない。
また、笑う時や泣く時の演技も昔の俳優の方が総じて下手なのが不思議だ。古い映画に出てくる家並み街の風景にも郷愁を感じる。また、昔の自動車は個性的でかっこ良かったと一人合点している。今ではキューバでしか見られない大型で個性的な自動車に感動。最近のAIを駆使した映画もいいが、手作り感が残っている古い映画の方が生身感があって自分は好きだ。ともあれ、古き良き時代に容易にタイムスリップできる良い時代になったものだ。
(ジャーナリスト 井上勝彦)2024-12