天気を予報するときに気象予報士が使う天気図には、各観測地点の気温や湿度など、色々な気象情報が出力されています。雲も形も天気を予報する際に必要となるとても重要な要素の一つです。それを、高度や形状によって、国際的に10種類に分けたものを「10種雲形(じっしゅうんけい)」といいます。みなさんが普段使っている「入道雲」などの俗称に沿って10種雲形を説明していきます。 まずは空の高い所にできる雲から。「すじ雲」と呼んでいるものは、白くて細いすじ雲で、「巻雲(けんうん)」といいます。
白くて小さい、やや丸みを帯びた、魚のうろこのような雲を「まだら雲」と言ったりしますが、10種雲形では「巻積雲(けんせきうん)」といいます。
空に薄いベールがかかったような「うす雲」を「巻 層雲(けんそううん)」といいます。太陽や月は暈(かさ)をかぶります。
次にやや高い所にできる雲。「ひつじ雲」や「むら雲」と呼ばれる雲を「高積雲 (こうせきうん)」といいます。 空を灰色に覆う雲「おぼろ雲」は、「高層雲(こうそううん)」といいます。
高層雲よりも暗く空を覆う雲「あま雲」を「乱層雲 (らんそううん)」といいます。
さらに低い所にできる雲になると、「くもり雲」と 呼ばれる、決まった形のない黒いかたまりの「層積雲 (そうせきうん)」や、「きり雲」と呼ばれる灰色や 乳白色をした「層雲(そううん)」があります。
また、「つみ雲」「わた雲」と呼ばれる、青空に浮かぶ白い雲を「積雲(せきうん)」、「入道雲」は、「積乱雲」といいます。
国際天気図には、例えば「積雲から積乱雲に変化しつつあるもの」、など、変化の過程にあるものも表現 できるように、約30種類の記号で表現されているのです。
(気象予報士 チャーリー/絵:吉田たつちか)2008.01