西洋医学的な栄養指導とは違って、薬膳食養生は、食物の性質を主眼としたものです。
皆様の体質も、冷え性、のぼせ性、胃腸が弱い、体に余分な水が溜まりやすい体質などとあるように、食材にもそれを解決してくれるものがそれぞれにあります。
例えば、お腹を温めるものには、ニラ、鮭、鱒、黒砂糖など。ストレスを発散してくれるものには、らっきょう日本蕎麦、柑橘類、ジャスミン茶など。これらを一覧にしたシートを作り、好き嫌いチェックしていただくのと、3日分の代表的な食事(朝、昼、夜、間食)を書いて持ってきていただくことで、それぞれの問題点と、今の体質を改善してゆく食事法をアドバイスすることができます。
シートを持ってきていただくと、なるほど!何故その方がその病気になっているのかがとてもよくわかります。
例えば、ストレスを溜めている方にかぎって、ストレスを発散する理気類は殆ど口にしていなかったり、冷え性で胃腸が弱く悩んでおられるのに、朝食がヨーグルトとバナナ(毎日)、野菜は生のサラダばかり、夕食は殆ど毎日おさしみをいただくなど。
しかしこれならまだ普通の方で、もっと信じられないことに、主婦なのだけど、家には包丁もまな板もなく、毎日スーパーのお総菜を並べ、お昼はハンバーガーか、コンビニ弁当。そして、この方の子供さんはアトピー中には、朝夕液体プロテインだけが食事という方もありました。これでは体質以前の問題です。
何でも揃う、便利な世の中になりましたが、それが原因の病気が急増しています。アトピー、不妊症、ガン、糖尿病・・・などなど、なかなか治らない病気!その殆どが食事に問題があるように思われます。
皆様もご自分に合った食養生を始めてくださいね。
(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵/絵:吉田たつちか)2008.01