皮膚や血管、骨には、細胞と細胞の間をつなぎ合わせる接着剤のような役割をしている繊維性のタンパク質が多く含まれています。それがコラーゲンです。コラーゲンは皮膚や血管骨にしなやかさを与え、強靱にしてくれます。骨に含まれている20%のコラーゲンのおかげで丈夫な骨が出来ているのです。(関節の軟骨では約50%)
コラーゲンの合成にはビタミンCが必要不可欠です。ビタミンCは合成されたばかりのプロコラーゲンに含まれるアミノ酸、プロリン、リシンを水酸化する酵素を助ける働きがあります。これらがきちんと水酸化されないと正常なコラーゲン繊維が出来なくなってしまいます。見た目では肌荒れが酷くなったり、血管が脆くなるのであちこちで内出血したり、骨が脆く崩れやすくなる骨粗鬆症にもなりかねません。
またこの反応の際にはビタミンCを補酵素として必要とするため、ビタミンCが含まれていない食事を2~3ヶ月間続けた場合、体内のビタミンCの総量が300ミリグラム以下になり、正常なコラーゲン合成ができなくなって、出血性の障害をもたらす壊血病を引き起こします。
私たちはビタミンCを体内で作ることも貯える事もできないため、必要量をすべてを毎日の食事などによって外部から摂取する必要があります。ビタミンCの必要量は、1日あたり100ミリグラム以上といわれています。
仮に1日に2.5ミリグラムのビタミンC しか摂取出来ない期間が3年間続くと、老化が速く進行し、寿命が短縮すると云われています。
ビタミンCを多く含む食品は、レモン・ライム・オレンジ・グレープフルーツなどの柑橘類、また柿、アセロラ、キウイフルーツ、トマトなどは、含有量が非常に多い食品です。その他の食品としては、グァバ、パパイヤ、ブロッコリー、芽キャベツ、ブラックベリー、イチゴ、カリフラワー、ほうれん草、マスクメロン、ブルーベリー、パセリ、ジャガ芋、サツマ芋などがあります。
加熱すると空気中の酸素や水分との反応が促進され、酸化されて生理活性が消えてしまうので、生食出来る物はなるべく新鮮な物を、加熱しなければならないものは、最短時間で調理出来るように切り方など工夫して下さいね。
(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵)2015-04