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松竹梅の由来

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17松竹梅の由来昔から、おめでたいものに、松竹梅があります。何故、この順番になったのでしょう。実は、おめでたいものに加わった時代の順番なのです。

松は平安時代から。何十年、何百年とその姿を保つことから、不老長寿の象徴として、大切にされてきました。また、二股に分かれている葉には殺菌効果があり、今でもお祝いの食事、お赤飯などの上に飾られることがあります。日本で見られる黒松、赤松からは採れませんが、朝鮮五葉などの松の実には、たんぱく質が多く含まれ、ナッツ類の中でも栄養価が高く、薬膳に用いられています。アメリカでは、手軽なおやつ、おつまみとして、食べられているそうです。

竹は室町時代から。冬でも常緑、永遠の若さを投影され、この時代から盛んになった作庭にもよく使われるようになりました。筍には食物繊維が多く含まれ、しかも低カロリーなので、便秘に悩む女性の味方です。近年の研究によると、大腸ガンの予防、コレステロール吸収から動脈硬化を防ぐことにも期待されています。筍の皮は殺菌、防腐効果があり、お弁当箱代わりにされてきました。先人は経験からこれを学び、仕事や旅の共にしたのでしょう。

最後は、梅。江戸時代から、盆栽が庶民の間でも流行するようになり、冬の寒さの中でも、可憐な花を咲かせる生命力の強さ、春を呼ぶ植物として愛されてきました。実は香り良く、塩漬けにしたものは梅干、お酒に漬け込んだものは梅酒として、今でも食卓に上ります。有名ですが、梅干の殺菌効果は抜群で、お弁当のご飯の上にちょぼりと乗せられます。これだけで、夏場でも、美味しいお弁当が食べられます。

松竹梅は、健康面でも人を支えてくれる、助けてくれる植物として大切にされてきたのです。余談ですが、お寿司のランクは、特上や並と呼ぶよりも、松竹梅と示した方が美しいということで、使用されてきたそうです。並と頼むより、「梅をお願いします」と言う方が、綺麗ですものね。

(文:コラムニスト 朝比奈うろこ/絵:吉田たつちか)
2008.12

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