(絵:そねたあゆみ)
寒い日が続き、急に午後から気温が急上昇した日や、寒いところから温かい部屋へ移動したときなどに、突然発症するめまい発作が増えてきています。特徴は、頭がのぼせてくるような感じがあり、後頭部が詰まったように重だるい。動悸がして、息苦しい感じなどがあり、”倒れるのでは???”という不安感に襲われる・・・と
いうもの。
特にずっと立ちっぱなしで作業していたり、ずっと座り仕事をしているとき、あるいは気分的に焦ったりしたときに起こりやすいです。この発作は、ストレスや環境の変化に伴い、肝が疏泄をして(西洋医学的には自律神経を調整すること)血液を分配し、変化に対応するのですが、それがうまくいかないことにより、上半身に熱が溜まり、下半身は冷えているという、肝陽上亢という状態が生じることで起こります。
その原因として①肝血が十分に養われていない②ストレスに対応できず肝が熱をもち、気が上に上がってしまう③痰が、正常な気血の上降を妨げ、停滞する④老化に伴い、肝の熱を抑える滋陰潜陽力が低下する----などが考えられ、特に病中病後で、体力が低下しいるときや、更年期に伴いホルモンが急激に変しているときなどは要注意です。
たとえとして、ヤカンに水が少ないとすぐに沸騰てしまう(コンロの火はストレスと考える)のに似ています。
ですので、対策としてヤカンの水(気血津液)をしっかり増やすことと、ヤカンの水がうまく対流して巡っている状態を作り出すことが大切です。
この辛い症状に対する、頓服的な漢方としては、めまいやしびれをとる”かぎかずら”と動悸、息切れ不安を改善する”スーパー紅景天”の併用がお勧めです。そして、手の内関のツボ押しや、足首を雑巾しぼりして、気を下へ下げる手当ても有効です。根本的な改善(発作を起こさなくする)には、状況に応じた補剤(ヤカンの水の不足成分)が必要です。
(薬剤師、薬食同源アドバイザー 高田理恵) 2019-03