(絵:そねたあゆみ)
スマホにしてからいろいろなアプリを入れては試している。主に無料のアプリだが、使ってみてつまらなかたら削除すればいいだけだから、昔のように役立たないソフトを買って失敗するという懸念もない。
今回新たに入れたのが「ピリカ」というゴミ拾いを楽しむソフトだ。これがなかなかおもしろい。子供たちがゲーム感覚、SNS感覚で楽しんで、ゴミ拾いにいそしんでいるという。
ゴミ拾いといえば倫理研究所の実践活動が昔から有名だが、なかなかゴミは無くならない。コンビニが増え、スナックや飲み物もパッケージや紙やプラスチックの容器に入っていて便利ではあるが、使い捨てである。
私が子供のころは、豆腐屋がラッパを鳴らして自転車で売りに来ると、鍋や桶を持って、買い求めたもので、ゴミが残る余地がなかった。当時に比べ、確実にゴミの素は増えている。
昔、仕事で台湾・台北に行った時、現地の知人がマクドナルドを食べた後のゴミを道に放り投げて平気な顔をしているのをいぶかしく思ったが、翌朝早く、リヤカーに掃除道具を摘んだ老人たちがゴミを掃き集めて掃除している光景に出会った。自分の狭い持ちエリアが決まっていて、毎朝掃除するのが、彼らの仕事で、市からいくばくかの対価が出ているという。すなわち老人にもできる簡単な仕事を生み出して、社会福祉の費用を少しでもセーブすることと、老人たちの生きがい、健康増進にも役立てているのだそうだ。そういえば、台北では犬は放し飼いが普通で(日本でも昔はそうだった)、犬の糞は、飼い主が誰かを問わず、自宅前、自分の店の前にあれば、そっと掃除するだけだという。それほど時間がかかる量でもないし、手間でもない。放し飼いにされている犬はストレスも溜らず、むやみに吠えたり、人を噛んだりしないという。
先ごろ、中国が日本からのペットボトル等の廃棄プラスチックの輸入を中止したというニュースが流れた。中国にもコンビニが増え、自前の廃プラスチックで賄えるようになったようだ。自動車のスクラップなども早晩、同じ道を辿るに違いない。
自国で発生したゴミは自国で処理するべきであり、自分の家の周りだけ、ゴミ拾いすれば、それほど大変なことではない。むしろ、行き過ぎたゴミの分別の方が費用対効果の面で問題がありそうだ。高温燃焼炉がある自治体なら、分別せずに一緒に燃やした方が費用的にも環境的にも良いという学者もいる。
そういえば、廃棄自動車も丸ごとプレスしてそのまま溶鉱炉に投入する方法とシュレダーにかけて資材別に分離処理する方法の2つが並行して行われたが、どちらに軍配があがったのだろうか?
我が家の隣に、ゴミ集積場と郵便ポストがあるが、どちらも近いので助かっている。
(ジャーナリスト 井上勝彦)2019-03