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3つの一等星が「夏の大三角」

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0908-03七夕というと七月七日。なぜなら、彦星さまと織姫さまが一番近くに見られるから、なのですが、これは旧暦の話。2009年では旧暦の七夕は8月26日に当たるほど、新暦との差があります。
西洋の星座では、彦星はわし座のアルタイル、織姫はこと座のベガ、天の川を渡る二人の橋渡しをするのは「北十字」という異名を持つはくちょう座のデネブと呼ばれ、奇しくもこの3つの一等星が「夏の大三角」と呼ばれています。
わし座は、大神ゼウスが変身した姿だと言われています。はくちょう座もゼウスが変身した姿だという説やわし座に関係する琴の名手オルフェウスが死んだあとそのまま星座になってこと座のそばにいるなどの説があります。
さてこと座の由来ですが、この琴は元は音楽の神アポロンのものでした。しかし、その息子のオルフェウスがあまりに琴が上手なので父から息子へと譲られ、オルフェウスは琴の名手として有名になりました。オルフェウスにはエウリュディケという妻がいました。
しかし彼女は毒蛇にかまれ、若くして死んでしまいます。オルフェウスはあきらめきれず、妻を死者の国から出してもらうよう冥土の神プルトンに頼みます。プルトンはその熱意に打たれ、彼の要求を飲みますが、一つだけ、「地上に出るまで妻を振り向いてはいけない」という条件を出します。しかしオルフェウスは妻の顔を少しでも早く見たいと焦り、つい振り向いてしまいました。するとエウュディケは元の地底深くへ吸い込まれてしまいました。妻を完全に失ったオルフェウスは失意のうちに世を去り、その死を悲しんだゼウスが、オルフェウスを天上に迎え入れたと言われています。オルフェウスは「オルフェ」とも呼ばれ、この物語はのちの世でも多くの作品の題材とされています。
(文:気象予報士・小説家 チャーリー/絵:吉田たつちか)2009-08

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