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「夏の風物詩」入道雲

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0808-02通称「入道雲」は、「積乱雲」といいます。この雲は、遠目に見ると壮大で圧巻ですが、実は近寄ると恐ろしい目に遭うこともあるのです。
積乱雲は、大気の状態が不安定なときに発生します。つまり下層(陸地や海面)が暖かく、上層が冷たいときです。みなさんもご家庭のクーラーの効き方で体験したことがあると思いますが、冷たい空気は下に行きます。つまり、暖かい空気よりも重いのです。だから、冷たい空気は下がりたがり、暖かい空気は上がりたがり、それぞれの空気の要求を満たすべく、積乱雲は発生・発達していくのです。
例えば海上。海の温度は温まりにくく冷えにくい性質を持っています。そのため、海面の温度は上がりにくいです。そこへ、夏の熱い空気が上空に流れ込むと、対流が起こり積乱雲が発生するのです。一方の陸地は、熱しやすく冷めやすい性質を持っています。だから、一日の気温が最も高くなる午後2時前後には、地表と上層との温度差が大きくなり、積乱雲が発生することがあります。特に天気予報で「上空に寒気が流れ込んでいます」と言われたときは要注意です。温度差があまりに大きくなると、大雨はもちろん、落雷、突風、雹(ひょう)ひどいときには竜巻が発生する恐れすらあります。
さて。入道雲といえば「夏の風物詩」のように書いてきましたが、冬にも入道雲が頻繁に発生しています。日本海側の地域では冬場、北寄りの季節風に乗って、シベリア生まれの冷たい空気が流れてきます。しかし日本海は、暖流が流れ込んでいる影響もあり、シベリアの風ほど冷たくありません。そこで大気の状態が不安定となり、巨大な積乱雲が発生します。それが、冬場のテレビの雲画像でおなじみの「筋状の雲」 なのです。
(気象予報士 チャーリー/絵:吉田たつちか)2008-08

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