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11月の星座「うお座」

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15-10-411月の星座の中で、今回はあまり夜空では目立っていないですが、星座としてはよく知られているものをご紹介します。
秋の夜空、天頂よりやや東より、ペガスス座の大きな四角形よりも南側を囲むようにして、大きな「Vの字」を描いている星座があります。それを古くから人は「うお座」を呼んでいます。お誕生日の12星座でもおなじみの星座ですよね。うお座には、3等星より明るい星はありません。そのため夜空で見つけるのは難しいかもしれませんが、広く名前を知られている星座の1つなので、今回取り上げることにしました。
この星座は「Vの字」あるいは「くの字」の形をしていると言われます。星座を、西側の部分と東側の部分に分けて、古来の人々は思いを馳せていたようです。
中東アジアのメソポタミアでは、この2つの星のつながりを、メソポタミア文明を発展させた要因でもある、チグリス川とメソポタミア川になぞらえていました。2つの星の列がつながっている場所を、2つの川が合流する地点だと捉えていたようです。そしてメソポタミアでは、ギリシア神話とは異なり、この2本の線、つまり大河に囲まれたペガスス座にある明るい四角形の星のつながりを、2本の川のあいだに広がった肥沃な大地だと解釈していたようです。
またギリシア神話にもうお座にまつわる話が登場します。美と愛の女神アプロディテ(ビーナス)と、その息子エロス(キューピッド)が、エリダヌス川(エリダヌス座)のそばを歩いていたとき、突然デュポンと呼ばれる怪物に出会いました。アプロディテとエロスは驚いて、魚に姿を変えてエリダヌス川に身を潜めました。そのとき、お互いの体が離れないように、2人の体をひもで結びつけました。この、魚に変身をしてひもで結ばれたままの状態で天に昇ったため、うお座は2本の連なる線からできているのだ、と言われています。
この怪物デュポンには、大神ゼウスもほとほと手を焼いていました。デュポンに攻撃を仕掛けて追いかけていたゼウスは、ようやく弱りかけたデュポンをめがけて大きな岩をぶつけました。そうしてできたのがイタリアのシチリア島にある、エトナ山です。しかしデュポンの怪力はまだ残っていて、デュポンが地下で暴れ回るせいで、今でもエトナ山が噴火するのだと言われています。
(コラムニスト 気象予報士 チャーリー/絵:そねたあゆみ)2015-11

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