年末恒例の流行語大賞は有名だが、実は、ぐるなび総研が昨年末に発表した『今年の一皿』もおもしろい。今回で2年という同賞に「おにぎらず」が選定された。「今年の一皿」は、その年に話題になったことに加え、社会の動きと関係が深く、世相を反映し、さらに食文化の記録として後世に受け継ぐ価値があることを基準に選定しているという。
ぐるなびが運営する飲食店情報検索サイト「ぐるなび」の月間5,200万人のユニークユーザーと1,354万人のぐるなび会員に対する調査から、食に関するキーワードを複数選出し、さらにメディア関係者の審査を経て、ノミネートワードとして発表されたもの。「おにぎらず」については、小生の昨年7月のコラム「海苔が主役」で取り上げたので割愛し、選に漏れた5つについて紹介したい。
「スーパーフード」=栄養バランスに優れ、栄養価が高い食品を指す。海外のモデルが愛用していることからココナッツオイルを筆頭に、チアシード(シソ科の植物「チア」の種子)、キヌア(ヒユ科アカザ亜科の植物)等が次々と注目された。ちなみに、小生はこのココナツオイルが苦手で、これが入ったカレーやクッキーは食べない。あの独特の味がこれを使った香水の香を連想してしまうので敬遠する。
「なまずの蒲焼」=絶滅危惧種として指定されたニホンウナギ等の代用として、土用の丑の日にうなぎの味に近づけるよう養殖したなまずの蒲焼が登場し話題となった。新聞で読んだ記憶があるが、まだうなぎ味のものは食べたことがない。幼少のころは、川や沼で比較的容易にとれたので、なまずそのものは食べたことある。うなぎと違って淡白な味だった記憶がある。
「のどぐろ」=アカムツ(スズキ目スズキ亜目ホタルジャコ科に属する暖海性魚類)は高級魚として扱われ、「のどぐろ」の名称で呼ばれることもある。昨年、世界的に有名なテニスプレイヤーが試合を終えた際のインタビューで「日本に帰国したら食べたい」と発言したことからはじまり、今春の北陸新幹線開通に伴い金沢をはじめとする北陸グルメが注目されたことで再び脚光を浴び、その魅力が広く知られるきっかけとなった。クロムツは時々、いただくことがあるり、とてもおいしいが、のどくろとは別物のようだ。
「クラフトビール」=小規模なビール醸造所でビール職人が造る高品質なビールを「手工芸品(Craft)」に例えて、クラフトビールと呼ぶ。小生の住んでいる伊東市宇佐美にも地ビール工場があり、最近、近くのセブンイレブンでも売るようになった。ビールは好きだが、いわゆる地ビールの味はなじめない。
「ジャパニーズウイスキー」=日本で生産されるウイスキー。1870年頃から日本でウイスキーが作られはじめ、1924年に販売用の生産が開始された。ここ数年のハイボールブームによりウイスキー自体の需要が高まっていた。 (ジャーナリスト 井上勝彦/絵:そねたあゆみ)2016-01