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宝くじ納税という考え方

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(絵:そねたあゆみ)

 ふるさと納税における返礼品をめぐって、総務省と地方自治体との間でバトルが繰り広げられている。2008年にスタートした同制度は、ネット上に専用サイトが乱立、返戻金の魅力比べの様相を呈している。
 総務省が自粛を求めている返礼品としては①金銭類似性の高いもの(プリペイカード、商品券、マイルなど)②資産性が高いもの(家電、家具、貴金属、自転車、ゴルフ用品など)③高額なもの④寄付額に対する調達価格が3割を超えるもの)などを指摘している。
 人口減や高齢者の割合増などで、ますます税収が先細っている地方自治体をいじめるようなことをしないで、もっと自治体の知恵や裁量にまかせたらいいではないか。
 地方自治体に落ちる税としてはタバコ税が有名であったが、東京や横浜など大都市を先頭に厳しい禁煙条例ができて、せっかくの税収が減っている。税収が豊かな東京などの大都市の為政者が、人気取りの一環として安易に禁煙場所を拡大しているのはいかがなものか。今や、年寄りが主なお客となっていて、経営者のママも高齢化しているスナックなどいじめてどうする。この歳になれば、タバコを吸っても吸わなくても余命はわずかだ。自動車同様多くの税金が課せられているのがタバコであり、その価格には国たばこ税、地方たばこ税、たばこ特別税、消費税の4種類もの税金が含まれており、税金の優等生でもある。
 ふるさと納税や寄付は、高額所得者には大きなメリットがあるようだが、寄付を翌年税額控除できる仕組みはさもしさがぬぐえない。これに対し、庶民が気軽に間接的に税金を納められるのが宝くじや公営ギャンブルだ。ところが、競輪、競馬などの公営ギャンブルは、最近、足を運ぶ人が減少し、開催自治体の多くが赤字に転落しているという。その運営費に多大な経費がかかるのが赤字の原因だ。そこえいくと宝くじは経費があまりかからないでも開催可能だ。
 現在は法律で、宝くじの胴元になれるのは都道府県や政令指定都市だが、これを、地方自治体まで拡充すればいい。
 ちなみに、総務省宝くじ問題検討会報告書の資料によると胴元のテラ銭は競馬が25.9%、競輪が25%、競艇とオートレースが25.2%であるのに対して、宝くじはなんと54.3%と断トツに多い。宝くじは買っても買わなくても当たらない、交通事故にあう確率より低いと揶揄されるわけだ。
 ところが、宝くじもネットでも買える(*)時代になったので、税の観点から見てみると、ふるさと納税以上に簡単に地方自治体に還元できる仕組みが可能であり、ネットを中心にすれば、宝くじ売り場も不要だし、くじ券の印刷代も購入者がネット画面から印刷できるので発券費用もほとんどかからないで、運用できるので、地方活性化におおいに役立つこと必定だ。私も対応するクレジットカードをさっそく用意して、コツコツと小さなお金を投入して宝くじ族の仲間入りをはたすことにする。
*宝くじがネットで買えるサイト=(宝くじ公式サイト)//www.takarakuji-official.jp/
(ジャーナリスト 井上勝彦)2019-04

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