(絵:吉田たつちか)
東京の長引くコロナ禍での緊急事態宣言下で酒が飲めない時期が続いてるのを見てお金に余裕があるのに家飲みではストレスが溜まるばかりの友人に同情・揶揄していた。
その点、田舎は酒は飲めるのでいいと自慢していたが、今回はこのあたり(伊豆)でも酒類の提供禁止となった。居酒屋やスナックも良い夏休みになるとさっさと店を閉めてしまった。小生が行くような安い飲み屋は、年寄のママ一人でやっている例が多く、感染防止協力金の方が売上より多いとほくそ笑んでいる。
癌で余命半年と告げられた飲み仲間のTさんは、3件連なるスナックに毎晩顔を出し、酒とカラオケの方が薬より効くと嘘ぶいていて、小生も頻繁に呼び出されていたのだが、彼の病状の悪化が危惧される。
You TubeとNetflixが友の家飲みでは、不思議に酒が進まない。缶ビール1本が2本になる程度だ。
ここで、You Tubeで最近ハマっている2つのサイトを紹介したい。
ひとつは「山田五郎 オトナの教養講座」だ。彼の名画への薀蓄と解説が秀逸だ。You Tubeで名画を紹介するのに著作権料が必要なことも初めて知った。全画面で紹介したり、部分をクローズアップして紹介するときは著作権の支払いが必要なのだそうだ。ピカソの絵画2点で85000円、しかも1年毎の更新支払いが必要とのこと。このシリーズでは、特に印象派の画家の紹介がわかりやすい。改めて、ポーラ美術館(箱根)や池田20世紀美術館(伊東)、上原美術館(下田)で印象派画家やピカソを見る楽しみが出来た。
一方、以前から断続的に訪れている「厳選クラシックちゃんねる」もじっくり見ることが出来た。本人は素人と謙遜するが3歳からクラシックを2,000曲以上演奏し、10,000本以上の音源を聴いてきた美しい彼女が、クラシック初心者にもわかりやすく解説している。ここでも、著作権の制限を回避しながらの奮闘は敬服するが、最近、著作権をめぐるトラブルでサイトの運営の危機に直面しているようだ。著作権の権利保護も大事だが行き過ぎた権利主張はいかがなものか?
絵画にしても音楽にしても、それぞれのエピソードを知るともっと楽しめること請け合いだ。
(ジャーナリスト 井上勝彦)2021-09