正月の風習も年々変わってきている。はねつき、こままわし、すごろく、ふくわらいなどもとんと見なくなった。
コンビニなど正月三が日でも、お店は開いているから、主婦の労働を正月くらい休みにしてやろうという目的のおせち料理を作る家庭もほとんどなくなった。スーパーやデパートで売っているおせち料理を買ってきても、孫達はほとんど手を出さない。かくて、おせち料理も風前のともしびだ。
そんな中でも、残したい風習に「七草粥」がある。古代より日本では、年初に雪の間から芽を出した草を摘む「若菜摘み」という風習があり、これが七草の原点とされる。セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロの「七草」を入れて7日の朝に粥を炊き食べて、1年の無病息災を祈る。正月にご馳走を食べすぎて疲れた胃を整える意味もある。
七草のうち、スズシロ(大根)、スズナ(カブ)、セリは日常的に食べるが、ほかのものは野草として見かけることがあるが、日常的は食べない。ナズナは、市民農園仲間の中国人夫婦が、わざわざ種をまいて作っていた。中国では普通の野菜として食べているようだ。ハコベラは柔らかそうだが、ゴギョウ(ははこぐさ)、ホトケノザは食べる気がおきない。
高齢化社会が進む日本では、お年寄り食としても「おかゆ」はもっと見直されて良いかと思う。「七草粥」を契機に朝食はおかゆをメインにしようかしら?
(コラムニスト 古屋麻耶/絵:そねたあゆみ)