母の日ほどポピュラーではないが、6月の第3日曜日は父の日です。父の日は1909年にアメリカ・ワシントン州スポケーンのソノラ・スマート・ドッドが、 彼女(彼女を含む子供6人)を男手一つで育ててくれた父を讃えて、教会の牧師にお願いして、父の誕生月である6月に礼拝をしてもらったことがきっかけと言 われています。
1966年、アメリカ合衆国第36代大統領リンドン・ジョンソンは、父の日を称賛する大統領告示を発し、6月の第3日曜日を父の日に定めました。1972年になり、アメリカでは正式に国の記念日に制定されたのです。
母の日の花がカーネーションに対し、父の日の花はバラ(それも母の日の赤いカーネーションに対抗したのか白いバラ)。前述したソノラ・スマート・ドッドが、父親の墓前に白いバラを供えたからとされています。
母の日ほどではないものの、デーパートやショッピングセンターでは、父の日向けのプレゼントコーナーを設けて、盛り上げようとはしているものの、ネクタイ、ベルト、靴下、ハンカチなどあまり値の張るものは見られず、いまいち本気度が薄れているようです。
6月の第3日曜日を父の日としているのはアメリカ、日本のほか 、 中国、 プエルトリコ、 インド、 イギリス、 カナダ、 チリ、 フランスなど17か国に及んでいますが、別の日を父の日としている国も少なくありません。
たとえば、台湾では8月8日が父の日(父親節)です。これは、「パパ」(爸爸)と「88」の中国語の発音が同じであることに由来しています。
8という数字は、日本人にとっても、末広がりに通じる縁起のよい数字で、人気のある数字です。
8 は、台湾だけでなく中国人もも大好きで、「8」を含むナンバープレートは高額で取引されるほどです。日本でも、相応のお金を払えば、車のナンバープレート に好みの数字をつけることができるようになりました。電話番号も同様で、会社やお店の経営者は、特に8の入った電話番号を欲しがるので、やはり高額で取引 されます。
北京五輪が2008年8月8日午後8時に開始されたのは偶然ではないでしょう。
(コラムニスト 古屋麻耶/絵:吉田たつちか)
2011.06