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イチョウの効用

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1111-1 長かった夏も終わり、やっと秋らしくなって来ました。もうすぐ紅葉のシーズンを迎えますね。そこで、今回は紅葉する代表的な植物イチョウの黄葉(こうよう)と効用について紹介いたします。

 紅葉する植物といえば、もみじとイチョウの鮮やかさは双璧をなすのではないかと思いますが、もみじが紅色に色づくのに対しイチョウは黄色に紅葉します。このことからイチョウが紅葉するという場合、紅葉ではなく「黄葉」という字をあてることもあります。イチョウが黄葉するのは、カロテノイドという色素が原因です。この色素は、青葉のときにも含まれているのですが、緑色の原因となる色素クロロフィルの量が青葉のときにはカロテノイドよりも相対的に多いため、全体として緑色に見えます。しかし葉が老化してくると緑色のクロロフィルの方が早く分解されてしまうために、今度はカロテノイドによる黄色が目立つようになり黄葉するというわけです。なお、もみじの紅色は別種の色素アントシアニンという成分によるものです。

 さて、「効用」の方ですが、イチョウは葉にも実にも優れた薬効があります。まず、実の方ですが、薬用部位は種子部分で銀杏(ぎんなん)と呼ばれています。専ら茶碗蒸しの具に用いられることの多い食材ですが、強壮強精作用や抗利尿作用、鎮咳去痰作用などがあると言われています。

 ただし、銀杏の多食は禁物です。一般には余り知られていないようですが、ビタミンB6の働きを阻害するギンコトキシンと呼ばれる中毒成分が含まれていますので注意が必要です。ビタミンB6の働きが阻害されると痙攣などを起こしたり、量によっては死に至ることもあります。子供なら5個、大人でも10個程度までにとどめておいた方がよいようです。

 一方、イチョウ葉には血液凝固を抑制して血流をよくする働きがあり、認知症改善、記憶改善、脳機能障害の改善、抹消血流改善作用などが期待されています。実際に、ドイツやフランスでは医薬品として認可されているようです。多彩な機能性を有するイチョウ葉ですが、イチョウ葉にもいくつか注意を要する点があります。

 まず、イチョウ葉エキスは血液凝固を抑制しますので、他の血液凝固を抑制する医薬品やハーブなどと併用すると、相互作用によって出血を起こしやすくする危険性があります。それらの医薬品等を服用中の方は、是非、医師にご相談ください。

 また、イチョウ葉にはアレルギー物質であるギンコール酸が含まれており、イチョウ葉からエキスを抽出しようとすると通常はギンコール酸まで抽出されてしまい、そのままでは摂取することができません。摂取するにはギンコール酸を除去する必要があるのですが、ご家庭でギンコール酸を除去するのは困難です。きちんと除去処理のされた市販品を入手されることをお勧めします。

(医学博士 食品保健指導士 中本屋 幸永/絵:そねたあゆみ)

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