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日本食の混ぜない文化

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カラー1●日本人は料理を混ぜない食文化

世界の料理を見ていると、その国のお国柄が透けて見えるようでなかなか楽しいのです。
日本という国は東の端っこにあって、しかも江戸時代に長く外国とのお付き合いをほとんどしてこなかったため、なかなか独特の発達をしてきました。
食文化に関していえば、日本食というのは、色合いをすごく重要視していて、しかもあまり色と食を混ぜ合わせません。
もちろん『炊き込みご飯』のように混ぜるものもありますが、それはあくまで傍流。主流はごはんとおかずは別々で。そのおかず同士を混ぜ合わせて食べることも少ないのです。
混ぜ合わせる食文化で有名なのはお隣の韓国で、徹底的というくらい混ぜます。その代表格がビビンバ。カレーライスやかき氷なんかも同じように徹底的に混ぜ合わせます。
日本人はカレーライスもかき氷もそれほど混ぜ合わせません。それどころか日本人の食べ方には独特のものがあります。それはどこまで混ぜ合わせるかは、食べる人の判断にお任せしちゃうという文化ということ。
「え? どういうこと?」と思われるかも知れませんが、西洋料理の場合、主食と副食という考え方はありません。
東アジアでごはんを主食とする食文化圏でも、韓国ならばカレーライスがでたらビビンパと同じく、とにかく徹底的に混ぜる。日本だとごはんとカレーをどれだけ混ぜるかは本人次第。
情報提供会社R25と調査会社アイ・リサーチの調査によると
「少しずつご飯にルーをかけながら(もしくは混ぜながら)食べる」派 65.0%
「最初からご飯のほぼ全体にルーをかける(もしくは混ぜる)」派 28.0%
「別々に食べる」派 70%
になるそうです。
本来、日本食のマナーとしては良くないとされる混ぜる派が3割近くもいたことには、ある意味驚きでした。

●世界が注目している日本のお弁当

お弁当なんかも色合いにこだわり混ぜない日本食文化が現れています。もしお疑いなら、お手元のインターネットを開き「弁当 世界」と打ち込んでみてください。世界各国のお弁当が出てきますが、日本ほど美的でかわいく彩り鮮やかなものはありません。
それがアメリカだったら欧米だったらサンドイッチにリンゴ一個とか、アジア諸国にあるお弁当も、見た目はあまり美しいと言い難いものが多かったりします。
この日本のお弁当。実はいま世界中から注目されていて、マネをする海外の方も多いんだとか。
日本のお弁当が世界に広まったのは、なんと日本のアニメや漫画を観たり読んだりした人が「ナニコレ?」と注目されたのがはじまりだとか。
世界で注目もお弁当ですが、お弁当も日本独特の食文化だったのです。
そもそも欧米ではサンドイッチ程度でしたし、中国では冷えた料理を食べる習慣がなかったのですから、お弁当もおにぎりもありませんでした。
台湾では日本統治時代にお弁当が定着し、東南アジアではいまでも屋台で食べるのが普通。
そんなお弁当ですから、お弁当箱という小さな世界でも、日本人の混ぜない文化が入っています。お弁当箱を仕切って、ご飯とおかずが混ざらないように工夫したり、あるいはおかずを丼の上に置くようにご飯の上に置きますが、混ぜこぜにはしない。
ちなみに丼物は19世紀、江戸時代の後半から末期に出てきたもので、歴史的にはそう古いものではありません。
ただし丼物は江戸の短気な庶民が食べるもので、上流階級の人が食べるものではありませんでした。だからいまでも、日本食の作法では、ごはんの上に乗せて食べる子とはマナー違反とされているのですから、当然、丼物もお弁当も上流階級の人はごはんの上におかずを乗せるなんてことはしなかったようです。
ちなみにいまは当たり前の「ふりかけ」も大正時代に開発されたもので、江戸時代のお弁当にはありませんでした。
これらはお米を神聖視し、白いお米を汚してはいけないという日本ならでは風習があったからだと思われます。日本のお弁当文化も時代に合わせて変化しているのですね。

(食文化研究家:巨椋修(おぐらおさむ))2016-06

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