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日本人が食べられないものと外国人が食べられないもの

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日本人が食べられないものと外国人が食べられないもの 食文化とは、その地域や民族、宗教などで育まれた食べ物の文化のことです。
当たり前ですが、その食文化に育った人には共通する好き嫌いや食のタブーがあります。今回はちょっとそこらへんの述べましょう。

●日本人が苦手な食べ物って?
おそらく世界の中でも日本民族ほどあらゆる国の食べ物がある国、そしてそれらを美味しく食べてしまう民族はいないでしょう。欧米など先進国の国々でも各国の料理が入ってきていますが、主にそれを食べるのは、その先進国に移民してきた人たちで、古くからその国に住んでいる人とは食べるものが違うものです。
そこで世界では食べられているのに、日本ではあまり好まれない食べ物を探してみました。
鳩: タレントのアグネスチャンさんが、中国から日本に来たとき驚いたのが、日本には鳩がたくさん飛んでいたことだそうです。中国だとたちまち捕まえられて食べられちゃうんだとか。実際、中国を旅行した人に聞くと本当に中国の公園とかに鳩はいなくて、実際に捕まえて食べてしまうそうです。
フランス料理にも鳩のレシピはありますが、日本では一部のレストランや中国料理店でしか食べられません。
カタツムリ: いわゆるエスカルゴですね。日本人は貝好きですが陸の貝であるエスカルゴはほとんど食べませんし養殖もしません。
牛豚鶏以外の肉: 日本にはジビエ(野生の鳥獣)を食べる機会がほとんどありません。カエルやヘビなどもゲテモノになります。
甘すぎて着色が派手なお菓子: 海外のお菓子はやたらと大量の砂糖を使っていて、着色も原色で派手なものが多く、こういうお菓子は子どもでも嫌がることが多いようです。おみやげに貰って食べたらビミョ~な顔になる人も……

●外国人が苦手な日本の食べ物
納豆: 海外の人に圧倒的に不人気なのが納豆です。理由はいうまでもなくあのニオイとネバネバ。そして見た目もダメなようです。
生玉子: これも欧米の人からも中国などアジアの人からも「信じられない」といわれてしまうものです。理由はサルモネラ菌による食中毒を怖れてのことと、海外の人には見た目もグロテスクに映るようです。
刺身: 近年になって寿司ブームが海外で起っており、中国でもマグロの刺身を食べるようになっていますが、それは日本料理店でのことで、家庭で刺身を食べることはまず少ないでしょう。いまでも刺身はキモチワルイという外国人は普通にいます。
塩辛: やはり見た目が……、という方がほとんど。
梅干し: 甘いと思って思わず口に入れたら……、という人も多そうですね。
「なんで~」と思う人もいるかも知れませんが、味覚というのはとかく保守的なもの。食べ慣れていないものや、食べたことがないものには、なかなか手が伸びませんよね。ということで海外から来たお客様に絶対だしてはイケナイものとして、納豆に生玉子を混ぜたものかも知れません。
ちなみに映画『ロッキー』のパートワンで主人公のロッキーが生玉子を数個コップに入れて一気に飲み込んでからランニングをするシーンがありますが、日本人なら「お、精をつけてるな」と思うだけでしょうが、欧米の人にとって、かなりのグロシーンであり、主演のシルベスター・スタローンは、飲むたびにギャラを別料金もらっていたとか。海外の人にとって、生玉子飲むというのは、それくらい危険で嫌悪する行為なのです。
食べ物というのはその土地土地で育まれたもので、何事にも“食べ慣れる”ということが必要なのかも知れません。私自身、つい先日フィンランドに行ってきた友人がおみやげに買ってきてくれた『サルアッキ』という飴を食べたところアンモニア臭がして「ウッ」となってしまいました。
この飴、日本のテレビ番組で『世界一まずいお菓子』として紹介されていたそうなのですが、フィンランドでは人気のお菓子だそうです。食文化って不思議ですね。

(食文化研究家 巨椋修(おぐらおさむ))2016-08

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