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新大陸発見が世界の料理を変えた!

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1211-1コロンブスの新大陸発見は、色々な意味で世界を変えました。ヨーロッパの人にとって、それは新たなる希望と侵略先の発見であり、アメリカ大陸先住民にとって、自分たちがヨーロッパ人たちに大虐殺され、さらにヨーロッパ人たちが持ち込んだ病原菌のため、民族絶滅の危機に追い込まれるという悲劇のはじまりであり、やがてアメリカ大陸に侵略した白人たちは20世紀に世界を支配するほどの世界覇権国に発展することになります。  この新大陸発見は料理の世界にも強烈な変化を与えます。これまでユーラシア大陸にもアフリカ大陸にもなかった植物がヨーロッパに入ってくることになり、やがてそれらは全世界に伝わって行くことになります。それはわたしたち現代日本人にもおなじみの野菜たち。ジャガイモ・トウモロコシ・サツマイモ・トマト・カボチャ・ピーマン・ピーナッツ・唐辛子・インゲン豆・パイナップルなどなど……これらは南北アメリカ大陸からヨーロッパを経由し、世界に広まった食べ物たちです。これらの食べ物はただ世界に広がっただけではなく【世界の歴史】をも大きく変えていくことになります。  なかには「え? これって日本原産じゃなかったの?」という野菜もあるかも知れません。そんな野菜たちでも名前から、原産国が外国であることがわかるものもあります。  たとえばジャガイモ。ジャガイモは中南米あたりが原産と言われていますが、日本にはインドネシアのジャカルタから持ち込まれたため、ジャカルタの当時の言い方「ジャガタラ芋」が「ジャガイモ」になりました。トウモロコシは“唐から来たもろこし”つまり唐の国=外国から入ってきた“もろこし”とい意味。“もろこし”とは「蜀黍」と書き、黍(きび)というイネ科の雑穀を意味します。つまりトウモロコシとは「外国から来た黍」という意味となります。トウモロコシもイネの穀物ですから、間違った言い方というわけではなさそうです。  サツマイモは、薩摩藩(鹿児島)から伝わってきた芋が語源。しかし、その薩摩では“唐芋(からいも)”と呼ばれていました。カボチャは「カンボジア」経由できたのでカンボジアが訛って「カボチャ」。トウガラシは、「唐」つまり外国から来た辛子。インゲン豆は、明の国から来た禅僧、隠元が持ってきたという伝説からそう呼ばれています。  これらアメリカ大陸出身の食べ物たちは、はるかアメリカからヨーロッパを経て、さらに中国や東南アジアなどから日本に入ってきたため、その途中経過の町の名前が付いていたりします。なんだかおもしろいですね。  トウモロコシがヨーロッパに伝わると、これまでの小麦や大麦の代用品として、人々の口に入るようになりました。トウモロコシは14世紀のはじめにヨーロッパに伝わり、16世紀には日本にも伝わっています。ヨーロッパに入ってきたトウモロコシは、多くの日人に食べられるようになりますが、それは“美味なる食べ物”というより“貧乏人の小麦の代用品”として人々に食べられるようになったといいます。  トウモロコシは収穫率が高く大量に作ることが可能なので、貧民のみならず豚や牛の飼料としても使われるようになり、食肉の生産量も増える結果となりました。いまやトウモロコシは米、麦と並ぶ三大穀物と言われていますが、ヨーロッパに入ってきた頃は、貧乏人を飢えから救った食べ物であり、家畜の餌だったのです。  そういえば、筆者が漫画家のアシスタントをしていた若い頃たまたま住んでいたアパートの前にトウモロコシ畑があり、酒のツマミがなかったため、こっそりその畑のトウモロコシを失敬したことが何回かあります。そのトウモロコシは家畜の飼料用であったらしく、スイートコーンのような甘みもなく、家畜用ということで、それほど農薬も使っていなかったのでしょう茹でると必ずゲジゲジのデッカイのが浮かんでいるようなトウモロコシでした。でも、食べてました。当時のわたしは、貧民どころか家畜並の生活をしていたということでありましょう。

(食文化研究家 巨椋修/絵:そねたあゆみ)

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