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日本生まれの中華料理 『冷やし中華』の謎

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2015-05-05●冷たい料理を好む日本、嫌う中国

暑い日に食べたい料理の一つに「冷やし中華」があります。この冷やし中華は日本生まれの日本料理って知ってました? そもそも中国の人たちは、元々冷たい料理を好まなかったという歴史があります。
いまでも中国の人は「冷めたごはんは罪人が食べるもの」とか「日本人のお弁当は美味しそうだけど、どうして冷たいのを食べる気になるのかわからない」という人もいます。
最近では中国にもコンビニがあり、日本のおにぎりは大人気とのことですが、最近までコンビニのおにぎりは温めるの当たり前だったとか。(もっとも日本でも、沖縄や北海道では普通に温めるそうです)
そんな中国ですから、冷たい麺など発想外だったようです。実は中国にも冷麺や涼麺という、アツアツではない麺料理はあるのですが、あまり水が良くないということもあって、直接冷水や氷で冷やす習慣がないため、日本の冷やし中華のように冷たくはなく“ぬるい”料理なのです。
一方、日本はというと、冷たいお刺身はもちろん、冷たいお弁当も学校や遠足では当たり前。冷たい漬物や、冷たいお浸しも大好きなお国柄。
日本と中国は近くの国ですが、料理の好みは違うようです。
日本の料理で、冷たいものの決定版といえば、日本の良質の水をふんだんにつかって冷やした、日本の伝統食である蕎麦やそうめん、冷や麦、冷たいうどんなんかがあります。
こういった冷たい麺類を好んでいた日本人が、やがて冷やし中華を発明するのは、一種の宿命だったのかも知れませんね。

●冷やし中華の歴史

冷やし中華の誕生には、いろいろな説があります。その中でもっとも有力なのが、宮城県仙台市青葉区錦町で今も営業している「龍亭」の店主だった店主だった四倉義雄さんが考案したのが、最初という説です。
暑い日本の夏、熱いラーメンの売り上げが落ちるため、地元の仙台支那料理協同組合の人たちが、夏でも人気の落ちない料理をと、ざる蕎麦をモデルに研究を重ね、鶏ガラスープに醤油、酢を使ったタレに、チャーシュー、塩もみしたキュウリ、茹でたキャベツなどを具にした冷たい中華麺が、冷やし中華の最初という説です。昭和12年のことでした。
他にも、昭和初期に書かれた料理本に、中華麺を冷やし、お酢を効かせた醤油だれをかけて食べる料理法が紹介されたものなどがあり、この時代、いろいろな人が、中華麺を冷やして食べる料理を作っていたようです。
そして冷やし中華が全国的に広まるのは戦後になってからで、昭和21年、東京の神田神保町にある「揚子江菜館」に「五色涼拌麺」というメニューが現在の冷やし中華の原型であると言われています。
この「五色涼拌麺」も、2代目店主の周子儀さんが大のざる蕎麦好きということで、雑蕎麦をヒントに考案したとのこと。やはり冷やし中華は、ざる蕎麦の影響大ですね。

●冷やし中華にマヨネーズはアリかナシか?

皆さんは冷やし中華にマヨネーズをかけるタイプですか? 冷やし中華+マヨネーズという発想は、どうやら名古屋発であるようです。
昭和32年、名古屋の食品メーカーであり、全国にチェーン展開している「寿がきや」が、ラーメンスープにマヨネーズを溶かした上で冷やし、「冷やしラーメン」として売り出し、1960年代ごろには、現在の汁がない「冷やし中華」にマヨネーズを添えることをはじめたそうな。
そのせいか東海地方では、冷やし中華+マヨネーズは当たり前のようです。また関東地方では、マヨネーズは「かけない派」が優勢。北海道ではかけない人が多く、全国的には、「かける・ときどきかける派」が優勢のようです。
さて、皆さまはいかがでしょうか?

(食文化研究家・巨椋修(おぐらおさむ)/絵:そねたあゆみ)2015-05

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