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低気圧の通過

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0805-01中緯度帯に位置する日本では、梅雨前線等の前線が停滞する時期以外はおおむね、高気圧と低気圧が、西から東へ交互に通り過ぎ、日々のお天気を変えています。
高気圧の前面は下降気流域になっているため、それそのものによるお天気の崩れはほとんどありません。
しかし高気圧後面から低気圧前面にかけては上昇流域になり、空には高いところに雲が現れ始めます。気温も上がります。
このころ、しとしとと雨が降ることがありますが、それは温暖前線が通過することによるものです。そのあとは南よりの風が吹き込んでさらに気温は上がりますが、空は次第に暗く、厚い雲に覆われるようになってきます。
やがて雲が低くたちこめるようになってくると、激しい雨になります。これが寒冷前線の通過です。このとき、場合によっては、雹(ひょう)が降ったり落雷が起こったりすることもあります。
そして雨が上がると、急激に風向きが北寄りに変わり、風速も強くなり、気温も一気に下がります。
しかしそのころには低気圧の下降流域に入っていて、次の高気圧につながっていくので、次第に風お天気ともに安定してきます。
そうしてまた高気圧の中心が過ぎると空高くに雲が現れて……、と、それを繰り返して日本のお天気や、大きく言えば季節は変化を繰り返していくのです。
高気圧や低気圧の進行速度は、上空を流れる偏西風・ジェット気流の速度に影響されます。上層から下層までの風や湿度等の要素を考慮して週間天気予報などが毎日発表されているのです。
「風の向くまま」とか「風にまかせて」ということばもあるように、お天気の移り変わりにもおおらかでありたいと願います。
(気象予報士 チャーリー/絵:吉田たつちか) 2008.05

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