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特定保健用食品[エコナの問題]

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特定保健用食品(トクホ)である花王の食用油「エコナ」には安全性に関する懸念があるということで、メーカー側が販売を自粛し、世論の逆風を受けてトクホの許可も自主的に返上した。

0911_3 エコナについては、販売当初から主成分であり関与成分(医薬品でいうところの有効成分にあたる)でもあるジアシルグリセロールに発癌を促進するのではないかという疑念があったにも関わらず、メーカー側は安全性に問題はないと強弁し、販売を継続していた。内閣府の食品安全委員会で安全性に関する審議が継続されている中で、新たに発がん性の強く疑われているグリシドールに体内で変換する可能性の高いグリシドール脂肪酸エステルが他の植物油の10~182倍も高いことがさらに発覚した。ここに至り、やっと花王は販売中止に踏み切った。

通常の食用油は、トリアシルグリセロールというものが主成分であるが、花王は工業的にトリアシルグリセロールをジアシルグリセロールに変換することで、体に脂肪のつきにくい食用油を開発することに成功した。

花王には食用油は長年の食経験があるから安心だという油断もあったものと思われるが、ジアシルグリセロールそのものは本来天然には余り存在しない微量成分である。ジアシルグリセロールの化学構造上の特性から従来のトリアシルグリセロールを主体とする食用油よりも製造工程でグリシドール脂肪酸エステルを大量に生成させてしまう結果となった。高度に加工されたものは、これまでの食経験による安全性をを単純に当てはめることができなかったということであろう。

魚の焼け焦げやワラビなどのように発がん性物質の含まれるものは身近な食品にも潜んでいるが、常識的な摂取量では問題がないとされている。エコナも今後の審議によって、シロ(無害)という結果になるかもしれないが、現時点では「疑わしきは使用せず」の原則に従うべきであろう。
(医学博士 食品保健指導士 中本屋/絵:吉田たつちか)

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