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児童遺棄罪

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10-02 日本では、今年も多くの乳幼児達が、炎天下の車中に残され熱射病や熱中症などで命を落としました。
アメリカなど、多くの国では、わずか数分であっても、乳幼児や子供達だけを家や車に残す行為は、「児童遺棄罪」に値し、即逮捕され、法律で厳しく罰されます。
先日も、ニューヨークに観光で来ていたヨーロッパ人の夫婦が、熟睡していた生後数ヶ月の娘をホテルの部屋に残し、1時間程ホテル内のレストランで食事をとり、部屋に戻ってきたところを警察に逮捕されました。夫婦が食事中に、部屋を掃除しようと入ったメイドが一人残された赤ん坊を見て、ホテルを通し、警察に通報したからでした。そして赤ん坊は、すぐに病院の緊急病棟へ運ばれ、精密検査を受け、一人で居た間に異常がなかったか調べられたのです。
小さなお子さんを持つ親御さんなら「熟睡している子供をわざわざ起こしてまで・・・」「3歳位からなら5分くらいは一人でお留守番できるし・・・」と思いがちですが、もし、その間に、子供が怪我をした場合、アメリカでは「保護不充分」と「肉体的虐待」の罪に問われることになります。これは、泥棒などが侵入し、子供に危害を加えた場合でも同様で、子供だけにしておいた親にも大きな責任があるとみなされるのです。また、子供だけで不安になり大泣きしている場合は「保護不充分」と「精神的虐待」の罪に問われます。州にもよりますが、ここで言う子供とは、大体14歳くらいまでの子供を指します。
アメリカでは、子供は将来をしょって立つ貴重な存在として、国が法律で大切に保護しています。万が一の事故や、犯罪に巻き込まれるのを防ぐには、とても有効的な法律であり、車社会のアメリカにおいて、車の中に子供が取り残され死亡してしまった、という事故は、滅多に聞きません。また、この法律は、誘拐事件の多いアメリカにおいて、それを未然に防ぐ役割も果たしています。
日本にも、是非「児童遺棄罪」を合法化してもらいたいものです。ベビーシッター制度が充実していない日本において、親、得に母親の負担が増し、益々大変になってしまうかもしれませんが、万が一のことがあったら、一生後悔することになるのですから。
(文 Julie/絵:吉田たつちか)2010-07

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