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1月の星座 うさぎ座

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(文:(コラムニスト 気象予報士 チャーリー/絵:そねたあゆみ)2017-1

 冬の星座の中で有名なものには、特徴的な三つ星と、「源氏星」「平家星」とも呼ばれる2つの1等星を持ったオリオン座があります。もちろんオリオンにまつわる物語はたくさんあるのですが、今回はその足元、白い一等星に連なるようにうずくまっている、うざぎ座についてのお話を紹介します。

 この星座には、特に目立つ星はありません。3等星と4等星とで小さな四辺形を作っています。古代の人たちはそこにうさぎの胴体と2本の長い耳を思い浮かべたようです。うさぎはオリオンが一番好んで狩りをしたとされているので、オリオンに捕えられた姿として、そこにうさぎを描いたのかもしれません。

 また別の神話には、シリウスに追いかけられるうさぎとして描かれます。シリウスも冬の夜空でよく目立つ星です(正確には、地球から観測できる恒星の中で最も明るく見える星です)。シリウスはおおいぬ座を形づくる星の1つです。

 今も昔もうさぎというのは、洋の東西を問わず、弱いものの象徴であり、人間にとっては貴重なたんぱく源だったということの現れかもしれませんね。また別の神話には、次のような話が出ています。シチリア島でうさぎが増えすぎたために、神々は狩人であるオリオンと、猟犬であるおおいぬのそばにうさぎを置くことにより、シチリアの島に住む人たちの暮らしを守った、と。

 さらにエジプトでもうさぎ座にまつわる伝説が伝わっています。エジプトの人たちは、オリオン座を、エジプト人にとっての大神、オシリスと解釈していました。なので、オシリスの足元にある四角いものを、「オシリスの船」と呼んでいたそうです。

 同じような見方はアラビアにもあって、アラビアではオリオン座を「ジャウザー(巨人)」と見立て、うさぎ座の四角はジャウザーが座るための椅子だと言い習わしていたようです。

 「うさぎ座」とか「オリオン座」というのは「トレミー48星座」という基準の中での呼び名に過ぎません。しかしこうして世界の神話をたどっていくと、どの国でも明るい星々をつないで偉大な神に思いを馳せ、そのそばにある小さな星々の集まりにも何かしらの気持ちを寄せていたのだろうなぁと感じさせられます。

(コラムニスト 気象予報士 チャーリー)2017-01

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