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2月の星座 いっかくじゅう座

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(文:(コラムニスト 気象予報士 チャーリー/絵:そねたあゆみ)2017-2

 冬の星座のよく目立つものには、2つの一等星と「三ッ星」を持つオリオン座や、地球から観測できる最も明るいシリウスを持つおおいぬ座などがあります。この「オリオン座」や「おおいぬ座」などの星座は、2世紀ごろに作成された星の表(星表)に描かれているもので、「トレミーの48星座」、もしくは、その星表を作った天文学者の名にちなんで「クラウディオス・プトレマイオスの48星座」と呼ばれています。これらの星表には北半球の中緯度から見えるものしか掲載されていなかったので、近代に入ってから、南半球からしか見えない星座や、北半球で見られても、「トレミー48星座」に含まれている星座と星座のあいだに新しい星座を結んだりして、現代に至っています。ちなみに現在の星座の数は合計で88にも及んでいます。

 さて今月は、トレミー48星座に含まれない「新しい星座」、いっかくじゅう座のお話です。オリオン座のベテルギウス(赤い星)、おおいぬ座のシリウス、さらにシリウスの東にあるこいぬ座のプロキオン。これらの1等星を結んだ逆三角形を、「冬の大三角形」と言います。実はこの3つの華やかな星々の中にこっそりと、いっかくじゅう座が隠れているのです。この星座はプトレマイオスも描けなかったほどなので、目立った明るい星もなく、星座にちなんだギリシア神話もありません。しかし、すでにお察しのかたもおられるかもしれませんが、「いっかくじゅう」とは「一角獣」、つまり、旧約聖書に登場する架空の生きものである「ユニコーン」の姿を描いたものだとされています。星空のユニコーンも、旧約聖書に登場するとおり、額から1本の角(つの)を生やした馬の姿をしています。星空で確認することはできませんが、その毛色は真っ白で、純真な乙女にしかその姿を見ることはできないと言われています。また、この純潔な馬は、どんな病気でも治し、あらゆる毒を消す力を持つともされています。

 もし望遠鏡をお持ちのかたならば、この星座を形づくる星々の中に、重要な星雲(いわゆる「ばら星雲」など)をご覧になることができます。また、地上からは1つにしか見えない星でも、いくつもの「二重星」「三重星」からできていることを確認することができるはずです。また、地球外で初めて「系外惑星」だと確認された星も、この星座を形作っています。

(コラムニスト 気象予報士 チャーリー/絵:そねたあゆみ)

 

 

 

 

 

 

 

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