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朝霧にご用心!

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13朝霧にご用心! 12月に入ると、太平洋側の地域の日中は、おおむね高気圧に覆われた、乾燥した晴れのお天気の日が続きます。これはシベリアからの高気圧、通称「冬将軍」が、日本海で水分をたっぷりと吸収し、それを日本海側の地域に豪雪として降らせ、さらに本州や九州の中央を南北に連なる山脈を越える際にも雪を降らせて水蒸気を失ってしまうため、太平洋側では乾燥した晴れのお天気が続くのです。関東平野では「からっ風」と呼ばれますが、こういった現象を「フェーン現象」と呼びます。ちなみにこのフェーン現象では、空気の気温も高くなるので、冬場の日本海側と太平洋側とでは、気温差も大きくなるのです。

さて、おおむね乾燥した晴れのお天気が続く太平洋側の地域ですが、最近では都市部を中心に、「ダストドーム」というものが早朝によく発生しているそうです。

空が晴れていると、地上の熱も空気中に逃げやすくなります。だから太陽の熱が射さない夜の間、地上の気温は下がります。晴れていればいるほど寒くなります。これを「放射冷却現象」あるいは単に「放射冷却」と呼びます。ニュースで耳慣れたことばだと思います。

そうやって気温が下がった地表に、都市部では、日中に車などが吐き出したチリ、またはエアコンの室外機が出すほこりなどが空気中を漂っています。それをきっかけにして、空気中のわずかな水蒸気が霧になる、というのです。空気中の水蒸気は、気温が低いほど水蒸気でいられる量は少なくなり、飽和に達すると水滴、ここでは霧というものに姿を変えるのですが、チリやほこりのような微小なものは、水蒸気が水滴に変わる温度を上げる効果があるのです。霧が発生している時は交通機関に注意が必要です!みなさんもお気を付けて!

(文:気象予報士・小説家 チャーリー/絵:吉田たつちか)
2008.12

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