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『古事記』の神々(その12)

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(絵:そねたあゆみ) 

  さて、八百万の神々から追放処分を受けた須佐之男命(すさのおのみこと)は、出雲の国の、今で言う斐伊川(ひいがわ)の上流にある、船通山という地に降り立ちました。そのとき、川上から箸が流れてきました。それを見た須佐之男命は、上流に人が住んでいるのだなと気づき、川沿いをのぼっていきました。
 すると、年配の男女が二人で暮らす小屋があり、あいだに幼い女の子を挟んで、泣いています。その様子を見た須佐之男命は「そなたたちは誰だ」と尋ねました。
 男性が、「わたしはこの地の神、大山津見神(おおやまつみのかみ)の子で、足名椎(あしなづち)と申します。この老婆は妻で、手名椎(てなづち)、そしてこの娘は櫛名田比賣(くしなだひめ)と申します」と答えます。
 須佐之男命は足名椎に、なぜ泣いているのかと尋ねます。すると足名椎は次のように言います。
 「今年この娘を八俣(やまた)の大蛇(おろち)へのいけにえに出さなければならないのです。八俣の大蛇は、一つの体に八つの頭と八つの尾を持った怪物です。瞳はホオズキのように赤く、体には苔や檜や杉で覆われ、全長は八つの谷と八つの丘をまたぐほどと言われており、その腹からはいつも血が滴っているとのことです」
 須佐之男命は初めて自分が天照大神の弟であると素性を明かし、足名椎にこの娘をくれと言います。さらに、「八回醸造した強い酒をつくり、垣をつくり、その垣に八つのかどを設け、かどごとを結び、その桟敷ごとに酒樽を置き、船ごとにその強い酒を溢れんばかりに入れよ」とお命じになりました。
 準備が整うなり、八俣の大蛇が現れました。それは須佐之男命のもくろみどおり、八つの頭を八つの酒樽にそれぞれ入れて、酒を飲みました。やがて酔っ払い、眠ってしまいました。そこへ須佐之男命は、十拳剣(とつかつるぎ)を抜き、大蛇のを切り刻んだので、斐伊川は真っ赤に染まりました。須佐之男命が大蛇の足を斬ろうとしたとき、刀の刃が欠けたのでよく見ると、一本の太刀がありました。この太刀を取り出し、天照大神に事情を伝えて献上したところ、それは草薙の大刀(たち)だということでした。(つづく)
(コラムニスト 気象予報士 CHARLIE)2018-03

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