UA-77435066-1

国旗ってなに?

 | 

16-05-5昔は祝日となると、どの家庭でも普通に国旗を掲げていましたよね。でも、あれってそんなに昔からのことではなく、昭和12年、支那事変勃発の年からだそうで、考えたことなかったけど意外に最近だったんだ・・・と。まあ、昭和12年を最近というかは別にして、でも、確かに考えてみれば、江戸時代には「祝日」などなかったはずで、そう考えれば、それほど意外に思うには値しないことなのかもしれません。でも私的にはもう少し前、少なくとも明治時代辺りからの習慣だったんだろうとばかり思っていました。(当初は当局の思惑どおりには普及せず、「祝日は国旗を持って踊りませう」などという苦心のキャンペーンもあったのだとか。)
で、その国旗ですが、意外に国旗自体の歴史も新しい物のようで、まず、旗自体は日本でも武田信玄の「風林火山」や源平合戦などで知られるように昔からあったわけで、当然、どこの国も「軍旗」という物は古くから存在しており、古代ローマ軍には軍団ごとに軍旗があったといいます。
ただ、それが、「国旗」となったのは17世紀初期、元々は海上を航海する船舶の所属を明らかにするための「商船旗」としての必要性からだったそうで、従って、アメリカ合衆国の星条旗は独立戦争さなかの1777年、フランスのトリコロールは1790年代の採用になるのだとか。(ただ、星条旗は連邦に州が加わるたびに星の数が増やされる仕組みになっているため、世界で最も変更回数が多い国旗となっており、現在のデザインはハワイが州に昇格した翌年の1960年から続く、「最も長い間変更されていないデザイン」となっているため、今では多くの人が星条旗といえば、このデザインしか知らないということになっていると。)
また、イギリスのユニオンジャックは17世紀中に軍艦旗としてあった物を正式に国旗としたのは日露戦争後の1908年で、同様に、スウェーデンやスイスなども1900年前後に相次いで国旗を制定したものの、その起源自体は中世にまで遡ると言います。この点、日本も経緯は似たようなもので、日の丸の意匠も、その原型は8世紀にまで遡ると言いますが、これが国旗となったのは明治3年(1870年)、やはり商船規則制定の関係からだったそうです。ちなみに、そうやって規定された日章旗ですが、その法的な裏付けはずっと太政官布告のままで、長らく法令としては存在しておらず、平成11年(1999年)になって「国旗国歌法」が正式公布ということになった際、多くの人が奇異に感じたことは記憶に新しい所だろうと思います。「小説家 池田平太郎)

コメントを残す