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たまには入院もいいもんだ

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(絵:そねたあゆみ)

 玄関に続くコンクリートの外階段の上で蹴躓き、3段下にダイビング。左腕で受け身をするも、骨折したようで、骨が飛び出ている。タクシーで市内の整形外科に行き、レントゲン検査を受ける。擦過傷の足の脛や右上腕部は消毒し、薬を塗ってもらい、骨折した左肘は添え木で固定、三角巾で釣る。手術が必要とのことで、そのまま、救急車で市民病院に搬送され、再度、レントゲン検診。
 3日後に入院、全身麻酔しての手術となった。実は、父を大腸癌手術の際の全身麻酔のミスで麻酔から覚醒しないまま、その半年後に亡くしているので、肘骨折手術程度で全身麻酔が必要なのか疑問に思ったが、先生の指示に従った。麻酔から覚めた時には、肘の手術成功よりも、麻酔から無事生還したことの方が嬉しかった。
 病院内はWi-Fiが使えないので入院中、映画三昧にと、持参したiPadが使えない。1週間、パソコンから離れ、メールやSNSから解放され、終日、流れる雲や山の緑をぼんやりと眺めるて過ごした。途中、スマホならインターネットにつながるのではと試したら遅くはあるがつながる。2年前にスマホに変えたものの、電話とメール以外に使わなかった。ポケモンGOが流行ったときに、電話屋にいって、孫とこれを一緒にできるように契約内容を変えてもらったのだが、孫たちはすぐにこのゲームに興味を失い、一度も活用しないまま終わっていた。
 スマホをミニコンピューターとして売り込まずに携帯電話機として販売した戦略が功を奏して今日のように普及拡大したのだという週刊誌の記事を読んだことがあるが、実際は高機能なパソコンそのものなので、パソコンとして十分使える。とはいえ、キーボードに慣れた小生にはパソコンとしての使用はハードルが高い。なんとか、自分の開設しているHPからのリンクをたどって、いつも家のパソコンで聴いている「http://作業用.net」に接続し、ジャズに酔いしれた。このサイトにはJAZZ,R&B,BARのカテゴリーがあり、粋なバーに座り音楽を聴いてる雰囲気が味わえる秀逸のサイトだ。サイトの名前とおり、作業中のバックグラウンドミュージックとしても役立つ。この中で、ギラ・ジルカの唄う「異邦人」に魅了され、ループ設定で繰り返し聴いた。
 このほかには、「青空朗読」(http://aozoraroudoku.jp/)にもお世話になった。このサイトはインターネット上の図書館「青空文庫」の作品を朗読するもので、プロのアナウンサーによる社会貢献活動としてスタートし、最近は、朗読を学ぶ一般の方々から参加もあるという。視覚障碍者はもとより、入院中の慰みにはうってつけだ。家では、青空文庫をipadで開き、このサイトでの朗読を聞きながら文字を追う読書スタイルをとっている。入院中、芥川 龍之介、夏目 漱石、寺田 寅彦の小説や源氏物語を聴破した。たまには、入院もいいもんだ。 (ジャーナリスト 井上勝彦)2017-10

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