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令和元年

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(絵:そねたあゆみ)

 新元号「令和」がスタート。発表当初、マスコミやネットでは賛否両論、喧々諤々だった。読んで字のごとく「命令に従い、和を乱すな」と解釈する者もあれば、外務省は「beautiful harmony」と英訳している。

 東京大学品田教授は「令和」には、「権力者の横暴を許せないし、忘れることもできない」という意味が込められていると解説する。朝日新聞に投稿する原稿だったとして、ネットで話題になっているが同文の最後に、「迂闊」にルビを振るという為政者への皮肉がかえって、氏の幼児性が垣間見え、せっかくの論調が低俗化してしまっているのは残念だ。

 令和の出典は万葉集(巻五)。中国古典からでも日本の国書からでもどちらでいい。中国発祥の漢字といえど、中国では略字化が進み、駅や観光地で表示されている中国漢字には合点のいかないものも少なくない。韓国ではもっと変化が大きく、いまではハングル文字が主体で、かの国の歴史家や古典文学者は日本で学ばなければ祖国の古文書も理解出来ないという。

 そこえいくと、漢字・ひらがな・カタカナという多様な文字文化を残す日本は天皇の歴史同様、良い文化継承をしている。

 万葉集といえば、小生の卒論は「万葉集における色について」だった。次女の名前、友朱(ともみ)も万葉集を出典としたのだが区役所の係の人が友未と勘違いしてスルーして認められたようだ。朱は赤い実のことだから「み」と読ませたのだが・・・・・。

--初春の令月(れいげつ)にして、氣淑(きよ)く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後(はいご)の香を薫す--

 ちなみに小生の愛読書であるの字統には「令」レイ・リョウ(リャウ)・みことのり・いいつけ・よい・せしめる。象形 礼冠を着けて、跪いて神意を聞く神職のものの形。神意に従うことから令善の義となり、令名・令聞のように用いる、とある。令名・令聞は良い評判という意味だから令はいい意味ではある。令嬢、令息なども同例だ。

令和がいい時代であってほしい。

ちなみに白川博士には、かの学園紛争の当時、学生たちが“夜中まで電灯のついていた彼の研究室(立命館大学)には近づかなかった”という逸話が残っている。博士の世界的な研究の邪魔はしたくない、いな、できなかったのだ。

 

*世の中の風和ぎて令和かな(勝爺) 

 

(ジャーナリスト 井上勝彦)2019-05

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